WordPressを使っていると、投稿やページの内容を一括で修正したいと思うことはありませんか?しかし、残念ながらWordPressのデフォルト機能には、一括置換を行うツールが含まれていません。そのため、手作業で一つひとつ修正するのは非常に手間がかかります。
例えば、投稿をコピーして新しい記事を作成した際や、複数の記事内の特定の文字列をまとめて置き換えたいと感じることがあるでしょう。そんな時に便利なのが、無料のプラグイン「Search Regex」です。このツールを使えば、簡単に一括置換を行うことが可能です。しかし、使い始めたばかりの段階では、検索結果に「リビジョン(過去の修正履歴)やドラフト(下書き)が表示されるなど、戸惑うかもしれません。
ここでは、検索対象にリビジョンが表示される理由やそれを避ける方法と、最低限の置換作業について簡単に説明します。ぜひ、参考にして作業効率のアップを行ってください。
Search Regexとは?
『Search Regex』は、WordPressの投稿やページ内の特定の文字列を検索・置換できる無料のプラグインです。簡単な操作で効率よく編集作業を行えるため、多くのユーザーに支持されています。
主な特徴とメリット
- 迅速な検索と置換:指定した文字列を一括で検索し、置換できます。
- 正規表現対応:高度な検索や条件付き置換が可能です。
- 直感的なインターフェース:初心者でも扱いやすい操作性。
なお、このプラグインのインストール方法は、他のWordPressプラグインと同様に「プラグイン」メニューから簡単にインストール・有効化できます。簡単ですので、インストール手順についてはここでは省略します。
検索と置換の方法
検索画面(Search Regex)を開く
WordPressの管理画面にログインし、左側メニューから『ツール』→『Search Regex』を選択します。

投稿ページを検索する
検索ボックスに『①置換したい文字列』を入力し、絞り込み条件のプルダウンから投稿ページを特定するための『②条件(タイトル等)』を選択します。『③投稿ページを特定する条件(タイトル)を入力』し、『④検索』ボタンをクリックすると、『⑤条件(タイトル)』に合致した一覧が表示されます。

リビジョン(履歴)も検索されてしまう😢
条件に合致した一覧には以下ののように⑥リビジョン(修正履歴)のページも表示されます。

これは、WordPressのリビジョン機能が投稿やページの変更履歴を保存するためです。リビジョン(履歴)は、投稿を編集するたびにデータベースに自動的に保存されます。Search Regexは、リビジョンも含めたデータベースのテーブル全体を検索対象にするため、リビジョンも検索結果に表示されてしまうのです。リビジョンは、何か問題があったときのための編集履歴であり、その履歴を改ざんすることはあまり好ましくありません。投稿ページだけを修正するようにしましょう。そのために、まず⑦IDを記憶します。
IDで再検索(リビジョンは置換させない!)
再検索するために、絞り込み条件のプルダウンから『⑧条件(ID)』を選択し、先ほど記憶した『⑨ID番号を入力』し、『⑩更新ボタンをクリック』します。

投稿ページだけが表示されます。

一括置換を行う
内容を確認したい場合は、タイトルのリンクをクリックすれば内容を見ることができます。置換対象のページで間違いがなければ、⑪変えたい文字列を入力し、『⑫すべて置換』ボタンをクリックします。

次のような画面が表示されて置換が完了したことが伝えられます。

最後に、一応投稿ページを見て置換されたことを確認するようにしましょう。
その他の便利な機能
検索条件を追加できる
以前のバージョンでは、入力元にチェックボックスがあり、投稿のみを置換対象として指定することができました。この機能により、複数のページを一括で検索し、その後置換することが可能でした。しかし、現在のバージョンではその機能がなくなってしまっています。完全に同じ方法ではありませんが、代替手段として、あらかじめ複数のページIDを検索対象に設定し、検索・置換を行うことができます。
『①絞込条件の追加(OR)』をクリックし、②IDの検索OR条件を複数入力することで、③複数の記事を一度に置換対象にすることができます。

尚、IDは投稿一覧ページで確認することができます。

正規表現を使った置換の例
『Search Regex』では、正規表現を使用してさらに柔軟な検索と置換が可能です。正規表現を使用する際は、検索条件でフラグの『正規表現』チェックボックスにチェックを入れることを忘れないでください。

正規表現を使った一括置換の例は、以下の通りです。
- URLを一括置換する:『http://(.*)』を検索し、『https://\1』に置換すると、すべてのHTTPリンクをHTTPSに変更することができます。
- メールアドレスを置換する:『(\w+@\w+.\w+)』を検索し、『[メールアドレス非公開]』に置換すると、すべてのメールアドレスを一括で隠すことができます。
- 数字の前に通貨記号を追加する:『(\d+)』を検索し、『¥\1』に置換すると、すべての数字の前に日本円の通貨記号(¥)を追加できます。
- 改行を削除する:『\n』を検索し、『』に置換すると、改行をすべて削除できます。
使う際の注意点
『Search Regex』は単なる検索・置換ツールです。置換後は元に戻すことができないため、慎重に使用する必要があります。以下の点に注意すると良いでしょう。
- バックアップを取る
置換操作は一度実行すると元に戻せないため、必ず事前にデータベースのバックアップを取っておきましょう。 - 検索・置換対象は本文のみ
たとえば、H2タグやAタグといったHTMLの命令そのものを検索・置換することはできません。Search Regexの検索対象は、投稿や固定ページの本文部分のみとなります。 - 正規表現のミスに注意
正規表現を使用する場合、間違った設定をすると意図しない箇所が変更される可能性があります。慎重に設定しましょう。 - プレビューを活用する
実行前に必ずプレビューで確認し、置換内容に問題がないか確認してください。
『Search Regex』を活用することで、WordPressの投稿編集作業が劇的に効率化します。初めて使う方でも簡単に扱えるので、ぜひ試してみてください!
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