最近の夏は猛暑日が増え、日差しの強い中での車中泊は、標高の高い避暑地であっても日中はかなりの暑さを感じます。そんな環境で、車に取り付ける網戸は快適に過ごすための強力なアイテムです。網戸をつけることで車内の空気が循環し、暑さを和らげることができます。また、夏だけでなく、春や秋といった比較的過ごしやすい季節でも、気温が予報より高くなると思った以上に寝苦しくなる夜もあります。
エアコンをつけると車中泊している周囲の人への騒音や排気ガスが迷惑となります。特に人気のある車中泊スポットでは、多くの人が車中泊をしているため、エアコンを使わず自然な風を取り入れる工夫が必要です。網戸であれば、気軽に風を取り込み、車内を涼しく保つことができるため、初心者にもおすすめの必須アイテムといえます。
今回は、そんな「車用網戸」の魅力と選び方、そして実際に使う際に必要なアイテムもご紹介します。車中泊を少しでも快適にするための秘訣ですので、ぜひ内容を確認してください!
今回ご紹介するアイテム
- リア網戸:後部座席側に設置する専用設計の網戸
- バックドア網戸:バック(リア)に設置する汎用の網戸
- バックドアストッパー:バック(リア)と車体との間に約10cmの隙間を作り、風通しを確保しながら施錠できるパーツ
- ハンディファン:風が弱いときに、車内で気軽に風を起こせる機器
- 殺虫スプレー:車内に蚊が入って来た時の対策用スプレー
車中泊の暑さ対策に網戸を付けよう!
車内で涼しく過ごせる快適温度は26℃前後です。それより温度が高いと少しづつ不快に感じはじめます。
昼間であれば、エアコンを付けても問題視されることはあまりありませんが、夜はマナー上の問題(騒音や廃棄ガスなど)からエアコンは使えません。暑さ対策が必要になります。
車内は狭いので、人数が多ければ多いほど暑くなりやすくなります。あくまでも目安ですが、締め切った車内では天気予報の温度よりも5℃~10℃ほど高くなると考えておくと良いでしょう。
そんなとき窓を開けると涼しくなりますが、夜に窓を開けると、蚊はもちろん、蛾やカメムシなどの虫が光に引き寄せられて集まってきて、たちまち車内が虫だらけになってしまいます。
そうならないようにするためには、網戸が欠かせません。車用の網戸には汎用性の高いものもあれば、特定の車種に合わせた専用設計のものもあります。多少高価でも、専用設計のものをおすすめします。
網戸を取り付ける場所
網戸は、フロントドア、リアドア、バックドア、すべてに取り付けることができます。バックドア専用設計のものは見たことがありませんが、汎用のものでも十分役割を果たします。
一方、フロントドアやリアドアへの設置には専用設計のものがおすすめです。専用設計の製品は若干値段が高めですが、ピッタリとフィットして隙間ができないこと、網戸1枚なので涼しいこと、窓の開け閉めが簡単なことがお勧めの理由です。
車種によっては専用設計のものがない場合もあります。また、少し値段が高いと感じる場合には、汎用タイプの製品も安価で販売されています。
ただ、構造上どうしても二重になってしまうため、風通しが悪くあまり涼しくないことや、雨が降ったときにたくさん濡れたり、片付けが面倒に感じたりするかもしれません。
もし専用設計の網戸が販売されているのであれば、多少高くても専用設計のものをおすすめします。フロントドア用とリアドア用がありますが、私はリアだけで十分だと思います。理由は、フロントドアの網戸は、付けたまま走行すると道路交通法の違反になってしまうため、走行中は外さなければならないからです。また、フロントと後部座席の間にカーテンを付けるような車中泊仕様にしているのであれば、フロントドアの網戸の必要性をあまり感じないからです。私は、一応購入して常備していますがほとんど使う機会がありません。
一方、バックドアの網戸には、汎用性のあるものを取り付けています。
バックドアの網戸は荷物の積み下ろしなどで、付けたり外したりするため、磁石タイプのものを使っています。
この商品は取り外しが非常に簡単で、慣れれば、取り付けは約20秒、外すときは約1秒でできます。外す際は、真ん中を掴んでぐいっと引っ張り、くるくる巻くだけです。また、取り付けたままでもバックドアを閉めることができるため、付けたまま走行可能です。値段も安価で、とても良い製品だと思います。
網戸と一緒に使うと便利なアイテム
バックドアの網戸と一緒に使うと便利なアイテムは、『バックドアストッパー』です。バックドアに10cmくらいの隙間を開けたままドアロック(施錠)できるようにするパーツです。
風が弱い日は、リアドアを網戸にしているだけでは、車内に風が入ってこないことがあります。サンシェードを付けていると、風は尚更入りにくいです。そこで、このアイテムを取り付けて、リアドアとバックドアを少し開けて風の通り道を増やします。少しの雨の日や風が強い日でも、しっかりと隙間を保ち、風通しを良くしてくれます。この製品の良い点は、このパーツを付けたままドアロック(施錠)できることです。夜寝るときに隙間を開けたままでも安心して眠ることができます。
この方法で、窓を開けていれば、たいていの日は風が入って快適に過ごせますが、中にはあまり風が吹かず、あまり涼しいと感じない日もあります。
そんな日におすすめなのがハンディファンです。
大きさは小さいですが、かなり涼しいです。車内で料理をしたり、休憩中にスマホを見たりするときに、置いたり挿したりして使います。車内は狭いため、大きな扇風機よりもハンディファンの方が場所を取らず便利です。ただし、風の範囲が狭いため、2人で使う場合は1人1個用意するのが良いでしょう。
涼しくするためのアイテムは以上ですが、夏といえば、こちらのアイテムも欠かせません。網戸を付けていても、人が出入りする際に虫が入り込むことがあります。特に、蚊が耳元で「プーン」と音を立てると恐怖を感じますよね。そんなときには、『おすだけベープ』や『おすだけノーマット』がおすすめです。
「プシュー」っとスプレーをするだけで、「プーん」という不快な音はしなくなります。1プッシュで24時間効果が期待できます。
車内は、家の部屋にくらべると狭いため、できるだけ香料のないものを選びます。無香料と書いてある製品でも、若干薬剤の匂いがすることがありますが、『おすだけベープ』はほとんど匂いません。また、狭い車内だとスプレーの勢いがそれほど強くないのもおすすめです。
道の駅の野外トイレなどで大量の虫を発見したときにおすすめなのは『おすだけノーマット』です。
一般的な殺虫スプレーは高さ23cm×6.5cmくらいあって大きいため、ポーチなどの小さなバッグには収まりません。しかし、この製品は高さ約15cm×幅4.5cmとコンパクトでありながら、スプレーの勢いが非常に強く、天井で動き回る虫にも届くのが特長です。このサイズでここまで勢いのあるものは、この製品以外では見たことがありません。
虫の存在は、トイレに入ってから気づくことが多く、私はよく海水浴場や公園のトイレで大量発生している虫に悩まされた経験があります。なぜか虫は、こちらに向かってよく飛んでくるのです。そのときはいつも逃げ回っていましたが、こういったいつでも取り出せるコンパクトで強力なスプレーがあるなら話は別です。武器があればいつでも戦えます。とても強い見方です。今では、車中泊用のトイレ用ポーチに常に入れている必需品になりました。
雨天や強風時はどうする?
せっかく設置した網戸ですが、台風や大雨の日には窓を開けられないこともあります。
そんな日にわざわざ車中泊をすることはあまりないと思いますが、長期の車中泊をしていると、そんな日に遭遇することもあります。夏場にそうした状況になると、車内の温度はどんどん上がり、湿気も多くなるため、不快指数がマックスに達します。そういう時は、我慢せずにエアコンを付けて涼を取ることをお勧めします。道の駅であっても、大雨や突風の中で窓を開けている人はいないでしょう。ルールは「守るためのもの」ではなく、「人に迷惑をかけないためのもの」です。人に迷惑がかからないと判断できるときには、熱中症で倒れたりする前に、自分の身を守ることを優先してください。
私も長期で車中泊をすることが多いですが、気温が高い日に大雨や突風が重なる経験をしたことがあります。若い頃は体力でなんとか乗り切ることができましたが、今ではそうもいかないと感じています。嵐が過ぎ去った翌朝に「家に帰りたい…」と思うような事態を避けるため、無理せずに旅館やホテルに泊まったり、人のいない海水浴場の駐車場に移動してエアコンを付けて休むようにしています。
皆さんも無理をせず、自分の体を大切にすることを優先してくださいね。