夏場の車中泊は暑さとの戦いです。暑いと寝られません。しかし、冷房をつけると音や排気ガスで隣の車の人に迷惑がかかるかもしれません。そのため、窓は開けても冷房は使わないことにしています。
こうした条件の中で快適に過ごす簡単な方法は、標高が高い場所で車中泊をすることです。一般的に、標高が100メートル上がると気温は0.6℃下がるといわれています。
目指す「道の駅 すばしり」は標高825メートルに位置し、平野部より約4.9℃気温が低い計算になります。場所や気象条件にもよりますが、最低気温は朝4時頃、就寝時間にあたる前日の夜22時頃はその約3℃高い気温となることが多いです。快適に眠れる気温が20℃前後と考えると、理想的な最低気温は17℃(±5℃が許容範囲)となります。
予定日(2024年9月14日~15日)の地元・神奈川県の天気予報では、最低気温28℃、最高気温34℃、晴れ。一方、目的地の須走は最低20℃、最高27℃、晴れの予報でした。平野部よりかなり涼しいものの、理想の気温よりは少し高めの予報です。さて、実際の気温はどうだったでしょうか?
まずは、気になる気温はどうだった?
【関東・関西 天気予報 比較 2024年】
9/14-15 | 15時 | 18時 | 21時 | 0時 | 3時 | 6時 | 9時 | 12時 |
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須走 | 27℃ | 23℃ | 22℃ | 21℃ | 20℃ | 20℃ | 25℃ | 24℃ |
神奈川県 | 33℃ | 30℃ | 29℃ | 28℃ | 28℃ | 28℃ | 31℃ | 34℃ |
兵庫県 | 33℃ | 30℃ | 29℃ | 29℃ | 28℃ | 28℃ | 30℃ | 30℃ |
項目 | 評価 | 車内温度 | 感想 |
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夜全般 | 少し暑かったため窓を開けていないと寝れない状態 エンジンをかけていた車が斜め隣にいた ずっと排気ガスが車内に入って寝苦しかった 車中泊初日なので楽しさが勝りました | ||
PM 12時31分 | 26℃ | 窓を閉めると暑くてとても寝れません 窓を開けました 夜中駐車した車がずっとエンジンをかけていた 排気ガスが入ってきて寝苦しくなった | |
AM 3時37分 | 25.5℃ | 小雨がずっとしとしと降っています 窓を開けている 就寝中体温が下がっている それほど暑いとは感じませんでした しかし排気ガスが入ってきて寝苦しいまま | |
AM 6時0分 | 26℃ | 少し気温が上がってきました それほど暑いとは感じませんでした | |
AM 9時0分 | 27.5℃ | 窓全開でこの温度です だいぶ暑くなりましたが快適です コンビニでパンを買って移動しながら食事をすることにしました |
総合 車内は非常に蒸し暑かったです。後部のサイドドアとバックドアを少し開けて寝たため、決して寝付けないほどではなかったのですが、私の車の後方(頭側)に停められていた車が逆向きに駐車され、エンジンをかけたまま寝ていたため、常に排気ガスが常に車内に流れ込んでいました。連休初日の夜中の駐車場は大混雑しており、移動もできなかったので、翌朝起きたときは、ひどい頭痛に悩まされました。
連休初日かつ車中泊初日のこの夜は、しとしとと細かい雨が降り続き、ほとんど眠れず最悪の2日目を迎えましたが、とはいえ楽しい車中泊の2日目なので、すぐに気持ちを切り替えることができ、朝食を取り始める頃には嫌な記憶も忘れていました。

駐車場が混雑している際に車中泊をされる方へお願いがあります。エンジンは必ず切ってから就寝してほしいのです。どうしてもエンジンをかける必要がある場合は、近くで窓を開けている車があるか、または風向きによって排気ガスが他の車に向かわないかを確認しそれでもエンジンをかけなければ寝れない場合は、迷惑をかけない場所に移動してエンジンをかけていただけると助かります。
須走(すばしり)の昼間の気温は依然として高いものの、夕方になると過ごしやすい温度に変わります。ただ、密閉されたVOXYの狭い室内で窓を締め切ったままでは、夕方でも二人いると体温の影響もあって車内がかなり暑くなってしまいます。風のある日は、窓を開けるだけで状況が改善されるので、ぜひこちらのブログを参考に、窓が開けられる装備を整えてから車中泊に出かけることをおすすめします。
レポートとしては以上で終わりですが、私たちの車中泊がどのような車中泊だったのか、気になる方は、続きをご覧ください。そのときの動画はこちらです。
まずは「クイーンズマート・ヤオマサ」で晩酌の仕入れ
地元の人にはおなじみで、旅人にとっては知る人ぞ知る存在、湘南が誇るスーパー「ヤオマサ」。特に小田原にある「クイーンズマート」は特別です。ここでは、地元小田原漁港や各地で取れた新鮮な魚が、そのままの形で販売されています。



売られている魚を指さして「これを刺身用にさばいて」とお願いすれば、お店の店員さんがその場でサク(お刺身にはしてくれません)にしてくれます。最近、湘南エリアでは、こういったサービスを提供するお店が増えていますが、ここはその元祖的な存在のお店です。年季が違います。


もちろん、はじめからパックになったお刺身やサクも販売されています。どちらも新鮮なのでおいしいですが、捌きたての方が確実に新鮮です。せっかくなので私たちは店員さんおすすめの約40cmの鯛を1匹(約1200円)さばいてサクにしてもらいました。
晩酌のためのひと汗、『開成水辺スポーツ公園』でジョギング

私たちは車中泊の旅に出ると、ほぼ毎日、何らかの運動をしています。天候などによって内容は変わりますが、サーフィン、ジョギング、水泳、山登りなど、大自然の中でしか味わえないさまざまな運動を楽しむことが車中泊の目的の一つでもあります。
特に長期の車中泊では体に疲れがたまりやすいため、適度な運動がむしろ疲れを和らげてくれるのです。その中でもジョギングは、どこでも気軽にできる手軽な運動として、ほぼ毎日取り入れています。
もちろん普通の道路を走ってもいいのですが、やはり整備された緑あふれる公園で走るのは、とても気持ちがいいものです。今回は、神奈川県小田原市にある「開成水辺スポーツ公園」でジョギングをさせていただきました。



シルバーウィークの初日でしたが、駐車場には余裕がありました。気温は高かったものの天気も良く、少し風があったので、とても気持ちよくジョギングを楽しめました。
サッカーコートでは、シニアのおじさまたちが真剣にサッカーをされていました。地元のおじさまたちの真剣な姿――。それは、普段の生活とは少しだけ違う、そんな日常では出会えない光景です。こうした出会いにふれられるのも、車中泊ならではの楽しさだと思います。


トイレを利用させていただきました。ウォシュレットはなく、設備も古めでしたが、常に風が抜ける構造になっているため、不快なにおいはまったくありませんでした。
お風呂は「あしがら温泉」に入りました


施設の概要
2024年9月14日時点の利用料金(3時間)は、大人600円、子ども300円でした。
【営業時間】10:00〜21:00
【定休日】毎週火曜日(※火曜日が祝日の場合は営業し、翌日が休館)
サウナもあります。
※本情報は2024年9月14日現在のものです。詳細は公式ホームページをご確認ください。

2025/6/11 追記
2025年7月1日より、大人料金が900円、子ども料金が450円に改定されるようです。約1.5倍の値上げは、まさにインフレを肌で感じる出来事ですね。残念ではありますが、これも時代の流れ。関東の温泉に対する「高い・安い」の感覚は、こちら側もアップデートしていく必要がありそうです。
感想
全体として、なかなか良い施設だと思います。いわゆる「温泉らしさ」はそれほど強く感じられませんが、泉質はアルカリ性単純温泉とのことです。サウナはやや小さめながら、90〜95度で12〜13人ほどが入れる広さがあります。

私はいつも、高温サウナと水風呂1分を1セットとして、これを5セット繰り返しています(一般的には6〜12分×2〜3セット)。こちらの施設は、料金が手頃なため、サウナを楽しめる温泉施設として利用しています。
ただし、常連さんの話によると、週末の16時頃になると送迎バスで多くの利用客が到着し、洗い場に行列ができるほど混雑するそうです。特に休日前の16時以降は、避けた方が無難かもしれません。
道の駅「すばしり」で車中泊
車中泊をしたこの日はシルバーウィークの初日だったため、道の駅に到着した16時頃には非常に混雑していました。ただ、道の駅の店舗が閉まる時間には車が少し減り、駐車場には空きが見られました。


ところが、夜になって暗くなると再び車が増え始め、深夜11時〜12時を過ぎてもさらに増え続け、明け方6時頃にはほぼ満車に近い状態になっていました。その後は徐々に台数が減っていき、朝9時頃には駐車場の車は半分程度まで減っていました。
トイレはきれい?きたない?


トイレは普通の道の駅のトイレです。新しい施設ではありませんので少し古臭い感じがするかもしれませんが、さすがは、有名な道の駅です。高速道路のパーキングの道の駅といった感じです。掃除が行き届いていて汚いと感じることはありませんが、混雑する道の駅ですので、少し匂いはあります。気になるほどではありません。
ここ、天然水が汲めるんです!


私たちは神奈川県に住んでいますが、こちらに来るときはこの辺りの道の駅からスタートします。理由は、湧き水を確保するためです。富士山近くの道の駅には、富士山の伏流水を汲める場所がたくさんありますが、「道の駅すばしり」もその一つです。
おまちかね。妻と2人だけの晩餐会!「とっても楽しかった~」
水を汲んで、物産館でお買い物をした後、車内に戻った私たちは、いよいよ楽しみにしていた2人だけの晩餐会のスタートです。クイーンズマートヤオマサで買った鯛の柵は、その場で捌いてもらった新鮮なもの。捌きたての鯛は身がしっかり締まっていて、ぷりぷりの食感がたまりません。わさび醤油につけて口に運ぶと、残暑の疲れもふっと抜けるような味わいでした。


残暑とはいえ、私は熱燗が大好きです。標高が高い場所では、日中の暑さが和らぎ、夜には熱燗を楽しめるくらいに気温が下がります。湯せんで温めたお酒をゆっくり味わいながら、鯛の刺身と合わせる時間は、まるで旅館の部屋食のような贅沢なひとときでした。


とはいえ、ここは車中泊の道の駅。他の人に迷惑をかけるわけにはいきません。声のトーンを抑え、外からは誰にも気づかれないように、2人だけで静かに楽しみました。後片付けも車内だけで行い、トイレなど施設の水道は絶対に使いません。

なお、ほとんど水を使わない後片付けの方法については、私の別のサイトで紹介しています。
特別な演出がなくても、こうして静かに味わう時間が私にはちょうどいい。食後、妻がぽつりと「とっても楽しかった~」とつぶやいたとき、今日の小さな晩餐会が、心に残る特別な思い出になったと感じました。
翌朝の絶景
ほんとは富士山が絶景なんです~!!

道の駅「富士吉田」からの富士山も見事ですが、今回ご紹介するのは別の場所からの眺めです。物産館の向こうに小さく見えている山は富士山ではありません。本来であれば、この位置に大きく富士山が見えるはずなのですが、訪れたときはなぜかその姿を確認することができませんでした。
暑さはどうだった?
今回は、標高が高い場所を求めて、富士山の近くにある道の駅「ふじおやま」で車中泊をしてみまし今回は、標高の高い場所を求めて、富士山の近くにある道の駅「ふじおやま」で車中泊をしてみました。標高は約825メートルで、道の駅「富士吉田」(標高約897メートル)と比べると少し低いものの、夏の暑さを避けて快適に過ごすには十分な高さでした。






もし窓を閉め切っていたら寝苦しかったと思いますが、窓を開けたことで今度は気温よりも「排気ガス」の方が気になるという、ちょっと残念な結果になりました。
混雑した場所での車中泊ではよくある“あるある”でしたが、さて、2日目はどんな車中泊になるのでしょうか。そちらもぜひ楽しみにしていてくださいね!
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