新NISAが話題ですが、みなさんはどうやって株を買っていますか?投資信託やAI投資に任せきりではありませんか?口座を開設したものの、どの株を買っていいか迷ったりしていませんか?
私は20年以上の投資経験を経て、紆余曲折しながらようやく自分のスタイルを確立し、今は楽しく資産を増やすことができています。しかし、投資を始めた頃は何をどうしていいのかわからないことだらけで、多くの失敗もしました。私と同じように自分の投資スタイルに迷っている方が、投資を楽しめるようになればと思い、ブログでご紹介させていただくことにしました。最後まで読んで参考にしていただけると嬉しいです。
シンプルだけど効果的!私の高配当株投資スタイル
私の投資スタイルはとてもシンプルです。高配当で割安な株の中から、自分が買ってもいいと思える『推し企業』の株を複数購入します。株価が上がれば、自分が推した企業が市場で認められたことを純粋に喜びながら売却します。もし株価が下がった場合は、配当を受け取りながら『推し企業』が市場に認められるのを期待して何年でも待ち続けます。
このシンプルな投資スタイルで重要なのは、高配当であることと、お買い得な株を購入することです。さらに、購入した株はしばらく放置することも大切です。いいと思って購入した株は、市場の動向や企業の業績が悪くても、すぐに冷静な判断ができないものです。思わず損切りしてしまった後に株価が上昇したり、株価が下がるのを指をくわえて見るくらいなら、購入したときの自分を信じて何もしない方が良いからです。
数ヶ月放置すれば冷静な判断ができるようになります。たまに株価を覗いて、『熟成した株』と『駄目になった株』を仕分けます。その方法も単純です。配当の割合が想定より低くなった株や、もうお買い得でなはくなった株を売却するだけです。私はこのシンプルな方法でずっと収益を伸ばしてきました。
なぜこんなお気楽なスタイルでずっと収益を伸ばせてこれたかは、株を買うタイミングにあります。
一般的に、銘柄を選ぶ際には業績が良い企業を選ぶことが多いですが、そういった企業はすでに市場で注目されており、株価が高くなっていることが多いです。株価が高いと、利益確定のために短期投資家の売りが出やすくなり、結果として株価が下がることがあります。また、株価が高いと配当利回りが低くなり、投資額に対する配当収益があまり期待できません。このため、業績だけを見て株を購入するのはおすすめできません。
しかし、すべての業績が良い企業が市場で注目されるわけではありません。業績が良くても市場で注目されていない企業の株価は上がらず、お買い得なままであることがよくあります。私は、業績や配当が良いにもかかわらず、市場がまだ注目していない未来の優良株を日々探して購入しています。
私のブログでは、そんなお買い得な優良株を皆様にもご紹介いたします。紹介する株はすべてお買い得ですが、市場がすぐに注目するかどうかは分かりません。また、時間の経過とともに業績が悪化し、優良株でなくなる可能性もあります。そのため、皆さんはその中から、自分が応援したい『推せる企業』をご自身の判断で見つけてください。私と一緒に未来の優良企業に投資し、日本企業を応援しましょう!
次章以降では、私がどのようにしてお買い得な優良株を選んでいるかをご紹介します。興味のある方はぜひご覧ください。
PERとPBRでわかる株価のお買い得度
投資指標は、企業の株価や価値を評価するための情報です。その中でも、投資家がよく使うのがPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)です。どちらの指標も株の割安感を数値化したものです。
PERは、1株当たりの利益に対して株価がどれだけ割安かを示す指標です。数式は『株価 ÷ 1株当たりの利益』です。この指標は『どれだけ少ない年数で株価と同額の利益を得られるかの割合』という見方もできます。この数値が低いほど、その株は割安であると言えます。利益の平均は業種によって異なるため、適正なPERの値も業種によって異なります。一般的には、PERが15以下であることが良いとされています。
一方、PBRは、1株当たりの純資産に対して株価がどれだけ安く取引されているかを示す指標です。数式は『株価 ÷ 1株当たりの純資産』です。この指標は、『どれだけ少ない資金で純資産を所有しているかの割合』という見方もできます。数値が低いほど、投資家にとってお買い得と言えます。一般的にはPBRが1以下であることが好ましいとされていますが、純資産の平均は業種によって異なるため、業種や企業の財務状況によって適切な基準は異なります。
なぜこの指標を見れば割安感がわかるのかを、簡単な例を挙げて説明します。
例えば、利益が10万円、純資産が200万円、株発行数が1万株の企業を例に、株価がPERとPBRにどう影響するかを考えてみましょう。この企業の1株当たりの利益は10円(PERに影響)であり、1株当たりの純資産は200円(PBRに影響)です。次に、株価が100円、200円、300円の場合を考えてみます。
株価÷利益 | PER | 株価 ÷ 純資産 | PBR | |||
株価が100円の場合 | 100円÷10円= | 10 | ⇐ 割安 | 100円÷200円= | 0.5 | ⇐ 割安 |
株価が200円の場合 | 200円÷10円= | 20 | ⇐ 少し割高 | 200円÷200円= | 1.0 | ⇐ 適正 |
株価が300円の場合 | 300円÷10円= | 30 | ⇐ 割高 | 300円÷200円= | 1.5 | ⇐ 割高 |
株価が100円の時点では割安株ですが、200円前後であれば、ほぼ適正価格と考えられます。一方、市場が過剰に注目して株価が300円まで上昇すると、割高株になります。
このように、同じ企業や業績でも、PERやPBRは株価によって変動します。言い換えれば、PERやPBRを見れば、その株がお買い得かどうかを判断できるといえます。
配当で守る!株価下落時の高配当戦略
配当は、企業が得た利益の一部を株主に分配することです。通常、企業は年に1回、決算後に株主総会で配当額を決定し、その決定に基づいて株主に支払います。
この配当が高配当の場合、株価が下落した場合のリスクヘッジとして機能します。例えば、年間4%の配当を支払う企業を例に考えてみましょう。
仮に、100円の株を1,000株分、10万円で購入したとします。1株あたりの配当が4円の場合、1,000株で受け取る配当は4,000円になります。この配当額は、最初に投資した金額の4%に相当します。
もし毎年同じ4,000円の配当が支払われ続けると、25年間で受け取る配当の合計は最初に投資した10万円と同じになります。つまり、25年間株を持ち続ければ、配当だけで最初の投資額を回収できるということです。
一方、万が一株価が下がった場合を考えてみます。
1年後に株価が96円に下がって評価額が9万6千円になったとしても、配当で4,000円を受け取っているので損失は出ません。
3年後に株価が88円に下がって評価額が8万8千円になったとしても、配当で1.2万円を受け取っているので損失は出ません。
10年後に株価が60円に下がって評価額が6万円になったとしても、配当で4万円を受け取っているので、実質的に損失は出ていません。私はこの損失が出ない株価のことを損失回避株価と呼んでいます。
このように、毎年4,000円の分配が支払われる限り、株価が下落しても配当で投資額を回収できるので、配当が株価が下がったときの保険のような役割を果たします。
ただし、配当は企業の利益を元に支払われるため、利益が出ないときには配当額が減額されたり、最悪の場合には支払われないこともあります。このような状況に陥った場合は、やむを得ず損切りをする決断も必要になるかもしれないことを頭に入れておかなければなりません。
興味と価値観から選ぼう!『推し企業』の見つけ方
投資は、自分が応援したい事業や業種の企業に資金を提供し、その成長を支えることです。配当や売買差益は見返りとして得られる利益です。投資の本来の目的は企業の発展を支援することにあります。そのためには、自分が応援できる『推し企業』を見つけることが重要です。
まずは、自分が興味を持っている分野や大切にしている価値観を整理して自分応援できる業種を探します。例えば、ソーラーパネルや風力発電などの再生可能エネルギーに関心があるなら「電気・ガス業」、環境に優しい洗剤や化粧品、バイオプラスチックなどに興味があるなら「化学」、省エネ住宅や持続可能な素材を使用した建築材料に興味があるなら「建設業」、エンターテインメントに関心があるなら、「サービス業」や「小売業」といった感じで業種を選びます。
業種は時代の変化によって、衰退する業種と発展する業種がありますので、成長する業種を選ぶのがおすすめです。
以下は2024年7月時点での業種の将来性をおおまかに分類してみました。よろしければ参考にしてください。
成長する業種
1 | 情報・通信業 | テクノロジーの進化により、ソフトウェア、クラウドサービス、AI、5Gなどの需要が増加しています。 |
2 | 医薬品 | 高齢化社会や新薬の開発、バイオテクノロジーの進展により、成長が期待されます。 |
3 | 電気機器 | エネルギー効率の良い製品、スマートグリッド技術などの需要が高まっています。 |
4 | 精密機器 | 高精度な測定機器や医療機器の需要が増しています。 |
5 | 小売業 | オンラインショッピングの普及により、Eコマース関連のビジネスが成長しています。 |
6 | 化学 | 新素材や環境対応型の製品の需要が増加しています。 |
7 | 機械 | 工業用ロボットや自動化機器などの需要が増加しています。 |
8 | サービス業 | デジタルサービスや健康・ウェルネス分野のサービスが成長しています。 |
現状維持の業種
1 | 食料品 | 基本的な需要が安定しており、現状維持が予想されます。 |
2 | 建設業 | 都市化やインフラの更新が続いていますが、成長が緩やかです。 |
3 | 鉄鋼 | 環境規制の影響を受けつつも、安定した需要があります。 |
4 | 非鉄金属 | 工業用途や再生可能エネルギー関連で一定の需要があります。 |
5 | 金属製品 | 特定のニーズに応じて安定している分野です。 |
6 | 電気・ガス業 | 安定した需要がありますが、再生可能エネルギーの導入が進んでいます。 |
7 | 卸売業 | 経済の変動に影響されやすいが、安定した需要があります。 |
8 | 保険業 | リスク管理の重要性から安定している業種です。 |
9 | 銀行業 | 金融の基盤として安定していますが、デジタル化の影響があります。 |
10 | 証券・商品先物取引業 | 市場の変動に左右されるが、安定した需要があります。 |
11 | その他金融業 | 複雑な金融商品やサービスが安定しています。 |
12 | 不動産業 | 地域によっては安定しているが、経済動向による変動があります。 |
13 | 空運業 | 長期的には安定しているが、経済状況により影響を受けることがあります。 |
衰退する業種
1 | 水産・農林業 | 環境問題や人口動態の変化により、衰退が懸念されています。 |
2 | 鉱業 | 環境規制の強化や資源の枯渇により、衰退の傾向があります。 |
3 | 繊維製品 | 海外生産の増加や需要の変化により、成長が鈍化しています。 |
4 | パルプ・紙 | デジタル化の進展により、紙の需要が減少しています。 |
5 | 石油・石炭製品 | 環境問題への対応として化石燃料の使用が減少しており、再生可能エネルギーの普及が進んでいます。 |
6 | ゴム製品 | 自動車産業の電動化や代替素材の普及により需要が減少しています。 |
7 | ガラス・土石製品 | 建設需要の減少やリサイクル素材の普及により市場が縮小しています。 |
8 | 輸送用機器 | 自動車の電動化やシェアリングエコノミーの影響で従来型の輸送機器の需要が低下しています。 |
9 | 陸運業 | 電動車両や自動運転技術の進展により、従来の陸運業は圧迫されています。 |
10 | 倉庫・運輸関連業 | オンラインショッピングの影響で物流の変化が進んでいますが、従来の物流業務は厳しい競争に直面しています。 |
11 | 海運業 | 国際貿易の変動に影響されやすく、成長が鈍化しています。 |
12 | その他製品 | 特定の需要に依存する製品は市場の変化により衰退する可能性があります。 |
業種が決まったら、その業種の中から高配当のお買い得企業の株を探します。もし、その業種内に高配当でお買い得な株が見つからない場合、その業種は投資対象として適していない可能性があります。配当は企業の利益に基づいて決まるため、業種全体が衰退している可能性も考えられます。衰退している業種への投資はリスクが高いため、他の業種を選ぶことをお勧めします。
『推し企業』が見つかったら、次は購入するタイミングを考えます。
10年の株価チャートを見逃すな!
高配当でお買い得な株を見つける際には、過去10年間の株価チャートを重要視しています。
多くの投資家は、株価が50%から100%の範囲よりも、0%から50%の範囲で購入することを好む傾向があります。過去10年間のチャートを見て0%から50%の位置にあるときに購入することを推奨します。
『推し企業』の探し方(まとめ)
私がブログでご紹介させていただいている『推し企業』を探す手順は以下になります。よろしければ参考にしてください。
- 投資指標(PER、PBR)を元にお買い得株を探す:まずは、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)などの投資指標を活用して、割安な株を探します。
- 配当予測の割合が高い企業を絞り込む:次に、高い配当予測の割合を持つ企業を絞り込みます。配当が安定していることは重要な要素です。
- 自分の興味と価値観を整理する:自分の興味や大切にしている価値観を整理し、どの分野や業種に情熱を持っているかを明確にします。
- 興味や価値観に合った業種、企業を探す:整理した興味や価値観に一致する業種や企業を探します。自分が応援したい企業を見つけるための重要なステップです。
- 過去10年のチャートを確認し、買い時を見極める:過去10年間の株価チャートを確認し、株価が50%以下に下がっている場合など、購入するのに適したタイミングを見極めます。
この一連のステップを踏むことで、自分にぴったりの長期保有に適した『推し企業』の株を見つけることができるでしょう。
銘柄検索システムの活用
株価や企業の経営状態を示す指標は日々変動します。そのため、1日で割安株が割高株に変わることもあります。私は約3800銘柄の中から優良な株を見つけるために、『銘柄検索システム』を開発しました。このシステムは、日々の株価データを分析し、その結果を毎日データベースに更新しています。システムが選んだ銘柄をさらに詳しく分析し、その結果をこちらのブログで皆さんにご紹介しています。よろしければそちらを参考にしてください。
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