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2024年9月も熱かったですね。連日30℃を超える日が続きましたが、先週からやっと涼しくなりました。7月31の日銀の利上げとFOMCによる米国金利の利下げで金利差が縮小したにもかかわらず、現時点では株価の暴落は一時的との見方が大半を占めているようです。ただし、アメリカ大統領選挙や日本の総裁選も控えていますので、今後の株価への影響は不透明です。
さて、2024年10月の一押し銘柄はウェーブロックホールディングス(株)(7940)です。現在(2024年8月26日)の株価は615円で、配当や投資指標から見ると、今が絶好の買いタイミングだと考えています。割安株としてもおすすめですが、ウェーブロックホールディングスはディフェンシブ銘柄でもあり、景気不安が懸念される状況でも中長期的に安定した業績が期待できる企業です。
なお、8月に推奨したクミアイ化学工業(株)(4996)は上昇していますが、7月に推奨したスミダコーポレーション(6817)の株価は下がり、配当が5%を超えてきました。売上が下方修正されたことや、設備投資による利益が減少したことが原因のようですが、2024年12月期(第2四半期)決算説明会では、2023年に設備投資のために67億円の新株を発行したことから、株主還元を貫くために配当を下げないと明言しています。このような優良企業の割安株でも下がることはよくあります。何年も長期保有することが目的ですので、まったく気にする必要はありません。この優良企業の配当が5.63%と割安すぎるため、私は逆に絶好の買い増し時が来たと捉えて買い増しました。皆さんはどうですか?
では、ウェーブロックホールディングスの投資魅力と市場での位置付けについて、さらに詳しく見ていきましょう。
ウェーブロックホールディングス(株)(7940)の株価予測と2024年10月の投資戦略がお勧めの理由
このブログは2024年9月24日時点の情報をもとに作成しています。
株価:615円
銘柄名:ウェーブロックホールディングス(株)
銘柄コード:7940
ウェーブロックホールディングス株式会社は、様々な生活シーンで使われる便利な素材を提供する企業です。この会社は、生活をより快適にするための製品を幅広く展開しています。まず、ウェーブロックは安全に配慮した素材を提供しており、例えば、建物の安全性を高めるための防煙垂壁や、空気の流れを良くするためのシートなどを製造しています。これにより、事故や災害から人や財産を守る役割を果たしています。さらに、農業にも貢献しており、作物がより良い環境で育つための資材を提供しています。例えば、農地の環境を整えるためのネットやカバーを製造し、農家の生産性向上を支援しています。また、ウェーブロックは食品や電子機器のパッケージも手掛けており、環境に優しい素材を使った製品の開発にも力を入れています。これにより、消費者のニーズに応えつつ、持続可能な社会に向けた取り組みを進めています。
このように、ウェーブロックホールディングスは生活の様々な場面で役立つ素材を提供し、人々の生活を豊かにする企業です。
ウェーブロックホールディングスについての概要を理解したところで、本題に入ります。ウェーブロックホールディングスの株が今、買い時である理由を説明します。
まずは配当についてです。2024年12月末の権利確定で支払われる予定の配当利回りは約4.86%(1株あたり30円)です。昨年、2024年3月の配当性向は55.5%でした。配当利回り(予定)も配当性向(実績)も業界内の主要企業より若干高めです。
次に投資指標です。PERは11.83、PBRは0.32と、いずれも良好な数値です。割安株と判断していいでしょう。
原油価格やナフサ価格の高騰により、化学業界全体が落ち込んでいます。そのため、業界全体でPERやPBRが低く、ほとんどの企業が割安な状態にあります。市場は慎重な姿勢を見せていますが、ウェーブロックホールディングスも同様で、建材や農業資材、パッケージングなどの製品を提供しているため、原油価格やナフサ価格の影響を受ける可能性があります。ただし、人々の生活に必要な商品を販売している企業であるため、価格が上昇しても消費が落ち込むとは考えにくいです。現在の市場価格は割安と考えられるため、今が買いのタイミングと言えるでしょう。
※配当やPER、PBRなどの数値指標の見方については、こちらをご覧ください。
総合評価
化学業界において懸念されるのは、原油価格やナフサ価格の今後の見通しが不透明である点です。そのため、これらの影響を受けにくい企業を選ぶ必要があります。
この銘柄を推奨する最大の理由は、景気の変動に強いディフェンシブ銘柄であるという点です。生活に密着した商品であれば、景気が悪化しても農薬の需要は安定しているため、安定した業績が見込まれます。
ウェーブロックホールディングスは、農業用のネットやカバー、建物用のシートやカバー等、生活に密着した商品を手掛けているため、消費が落ちることは考えにくいため、他の化学企業に比べて、比較的原油価格やナフサ価格の変動を受けにくいと考えられます。
多くの優良ディフェンシブ銘柄はすでに割高になっている中、ウェーブロックホールディングスはまだ割安です。今のうちに購入を検討する価値があると考えています。
安定性
【企業規模】
- 売上高: 2024年3月決算の売上高は25,559百万円です。2023年の22,584百万円から増加しており、2025年3月には28,460百万円の会社予測があります。毎年、安定した成長を示しており、業界平均と比較しても良好な成績です。これにより、安定した成長が期待できると判断できます。
- 従業員数: グループ全体の従業員数は606人です。大企業としての規模は小さいですが、特に農業用のネットやカバー、建物用のシートやカバーに特化した企業であるため、特定のニッチ市場で安定した業務を展開していると考えられます。規模に応じた特化戦略が安定性を支えていると言えるでしょう。
- 取引高: 2024年9月24日の取引高は25,730株でした。606人規模の企業としては安定した取引高と評価できます。過去の取引高や業界の平均と比べても、特に大きな変動が見られないため、株価の安定性が期待できる要素となります。信頼できる取引高であるため、投資判断においてもプラス材料と考えられます。
【負債・自己資本】
- 負債総資産比率:43.98%。計算式は『(負債合計※:12,809,021 ÷ 資産合計※:29,122,650)×100』業界平均の50%〜60%を下回っています。これは、同業他社に比べて負債依存度が低く、より健全な資本構成を保っていることを示しています。負債の割合が少ないことで、外部の資金調達に依存せず、自社の資本で安定した運営が可能です。
- 自己資本比率:56.02%。計算式は『(資本合計※:16,313,629 ÷ 資産合計※:29,122,650)×100』業界平均の40%〜50%を大きく上回っています。自己資本比率が高いことは、安定した資本基盤を持ち、経済の変動や外部ショックに対する耐性が強いことを意味します。高い自己資本比率は、企業が外部からの資金調達に依存せず、内部資源で安定した成長を図っている証拠です。
※決算数値は企業のホームページのIR情報を参照しました。
負債総資産比率は低く、自己資本比率は高い値です。財務の健全性としては良好です。特に、自己資本比率が高いことは、企業が安定した財務基盤を持っていることを示しており、財務的なリスクが比較的低いと評価できます。
成長性
【財務諸表】
2022年 | 2023年 | 2024年3月 (会社予想) | 2024年10月 (コンセンサス予想) | |
---|---|---|---|---|
売上高 | 22,584 | 23,559 (+4.3%) | 25500 (+8.2%) | - |
営業利益 | 346 | 387 (+11.8%) | 420 (+8.5%) | - |
経常利益 | 718 | 676 (-5.8%) | 660 (-2.4%) | - |
当期利益 | 2,321 | 456 (-80.4%) | 440 (-3.5%) | - |
売上高について
売上高は2022年から2023年にかけて4.3%増加し、会社予想では2024年3月にさらに8.2%の成長が見込まれています。この安定した成長は、事業拡大や製品の売上増加によるもので、会社の基盤がしっかりしていることを示唆しています。特に売上高が持続的に伸びている点は、安定した業績が期待できる銘柄であることを裏付けるポイントです。
営業利益について
営業利益も2022年から2023年にかけて11.8%増加し、2024年3月にはさらに8.5%の伸びが見込まれています。この増益は、事業運営が効率的に進んでいることを示し、コスト管理や売価転嫁が上手くいっていると考えられます。営業利益の増加は、企業の収益性が改善されていることを示すため、推奨できるポイントです。
経常利益について
経常利益は、2022年から2023年にかけて5.8%減少し、2024年3月にはさらに2.4%の減少が見込まれています。ここでの減少は懸念材料ですが、売上高や営業利益の増加を踏まえると、金利や外部要因など一時的な要素が影響している可能性が高いです。短期的なリスクはあるものの、全体的な利益構造に大きな問題があるわけではない点は強調しておきたいところです。
当期利益について
当期利益は2022年から2023年にかけて大幅に減少(-80.4%)し、2024年3月にはさらに3.5%減少が予想されています。2022年の特別要因(子会社売却益などで2022年の当期利益が高すぎただけ)が大きく影響したことが要因ですが、これは一過性のものです。今後の業績が安定していくことを考慮すれば、短期的な大幅減少を過剰に懸念する必要はなく、むしろ持続的な成長を重視した投資判断が求められるでしょう。
当期利益は2022年から2023年にかけて大幅に減少し(-80.4%)、2024年3月にはさらに3.5%の減少が予想されています。2022年の特別要因(子会社売却益など)が大きく影響したため、当期利益が高すぎたことが要因ですが、これは一過性のものです。今後の業績が安定していくことを考慮すれば、短期的な大幅減少を過剰に懸念する必要はなく、むしろ持続的な成長を重視した投資判断が求められるでしょう。
全体の見通し
売上高と営業利益の増加は、企業の成長と収益性の向上を裏付けるもので、推奨できる銘柄と言えます。一方で、経常利益と当期利益の減少が続いている点は懸念材料ですが、一時的な要因が主であり、今後の成長に期待できる点が重要です。
配当
ウェーブロックホールディングスは、2023年3月の通期報告書で、配当性向に触れ、配当性向を35%以上に設定することで、株主還元を明確化し、信頼性の高い経営を進めています。これにより、今後も現在の配当額が維持されることが期待できるでしょう。
【配当利回り】
2024年度の配当は1株当たり30円と発表されており、この金額は2018年以降変わっていません。2023年3月の通期報告書では、2025年に向けて「業績のボラティリティに左右されない株主還元」を明言しており、安定した配当が期待できます。配当利回りは4.86%で、売上は右肩上がりのため、今後も高配当が期待できるでしょう。仮にこの配当額が21年間続いた場合、63,000円の配当を受け取ることになり、配当だけで元本を上回る利益が得られる計算になります。
上記は、損失回避株価のグラフです。損失回避株価とは、株を購入した価格から、毎年、配当分を引いた金額です。つまり、株価が下がったときに損失しないギリギリの株価の値です。この株価は、配当収入が継続することを前提にしています。
損失回避株価は私が作り出した造語です。「もし株価が下がったとき、損をしない株価」です。例えば、6年間保有していれば株価が437円まで下がっても、下落分の配当を受け取っているため損をしていません。また、21年間保有し続け、たとえ株価が0円になってもその分配当をもらっているため損はしていません。上記はそれをグラフ化したものです。ただし、毎年30円の配当が支払われることが前提です。株を購入する際には、企業の業績が悪化して配当が減少する可能性も考慮に入れ、損切できるか等を検討してから購入することをお勧めします。
【配当の推移】
配当金額は2018年からずっと30円です。2023年3月の通期報告書で、今後も30円を維持することを名言しています。今後も高配当が期待できるでしょう。
【配当性向】
1株配当金額 | 1株当たり当期利益 | 配当性向 | |
---|---|---|---|
2023年 | 30 円 | 275.18 円 | 10.9 % |
2024年 | 30 円 | 54.10 円 | 55.5 % |
2025年(見込) | 30 円 | 52.16円 | 57.5 % |
配当性向を見ると、2023年は10.9%だったのが、2024年には55.5%、2025年見込みでは57.5%に上昇しています。これは、企業が株主への還元を重視し、安定した配当を維持しようとしていることを示しています。高い配当性向は、株主にとって非常に魅力的で、安定した収入を得たいと考える方には嬉しいポイントです。ただ、企業の成長投資に対する資金が減少するリスクも伴います。持続可能な経営を考える上で、配当性向の上昇は今後の成長戦略に影響を与える可能性があるため、注意も必要です。
【業界比較】
他の農薬業界の主要企業の配当。(調査日2024年7月30日)
配当予想 | 配当利回り | 前期配当性向 | |
---|---|---|---|
OATアグリオ | 55円 | 2.82 % | 23.3 % |
東邦アセチレン | 14円 | 4.00 % | 34.4 % |
ナトコ | 50円 | 3.52 % | 39.7 % |
ウェーブロックホールディングス | 30円 | 3.85 % | 55.5 % |
ウェーブロックホールディングスの配当利回り3.85%は、同業他社と比べるとやや割安感があります。また、配当性向は55.5%とやや高めですが、これは業績の変動に左右されない株主還元を明言したことが背景にあります。利益を削ってでも株主に還元する姿勢が伺え、今後も株主を重視する姿勢が期待できます。
企業は上場と同時に株を発行し、資金を調達します。その後、株価が上がっても下がっても、最初に発行して調達した資金に影響はありません。つまり、たとえ株価が上昇しても、企業の資金が増えるわけではありません(融資枠が増える可能性はあります)。企業は株価や配当利回りに直接的な責任はありませんが、配当金額については企業の責任です。配当性向は、利益からどれだけを配当に回すかを示すもので、この数字によって株主に対する企業の姿勢が見えてきます。ウェーブロックホールディングスの配当性向は55.5%で、これは業界内でも高い水準です。
購入タイミング
【PER(株価収益率)】
ブログ作成時(2024年9月26日)のPERは11.87です。PER(株価収益率)は、1株当たりの利益の何倍で株価が取引されているかを示す指標です。数式は『株価 ÷ 1株当たりの利益』です。私はこの指標を『どれだけ少ない年数で株価と同額の利益を得られるかの割合』と捉えています。PERが11.87であるため、わずか11年間の利益で株価分に相当する利益を得られる企業である、ということを意味しています。言い換えれば、株価が利益に対して低く設定されていることを示し、つまり割安であるということです。
【PBR(純資産倍率)】
ブログ作成時(2024年9月26日)のPERは0.32です。PBR(株価純資産倍率)は、1株当たりの純資産の何倍で株価が取引されているかを示す指標です。数式は『株価 ÷ 1株当たりの純資産』です。この指標は、株主が『純資産を所有している割合』を示しますが、私はこの指標を『ウェーブロックホールディングスが倒産した場合に、株主が純資産から受け取れる割合』という見方で捉えています。その割合は、1株が0.32ぶんに相当するため、1921円分(615円÷0.32)受け取れることになります。単なる机上の空論ではありますが、1,306円も多い金額を受け取れるというのは、こちらもかなり割安であると言えます。
【業界比較】
他の農薬業界の主要企業のPER,PBR。(調査日2024年7月31日)
PER(株価収益率) | PBR(純資産倍率) | |
---|---|---|
OATアグリオ | 11.07 | 1.31 |
東邦アセチレン | 7.71 | 0.70 |
ナトコ | 10.84 | 0.47 |
ウェーブロックホールディングス | 11.87 | 0.32 |
ウェーブロックホールディングスのPERは11.87と低く、良い水準です。また、PBRも0.32と、とても低く、こちらも非常に良い水準です。ただし、他の競合企業も同程度の水準であるため、冒頭でも述べたように、原油価格の高騰によるナフサ価格の高騰が解決しない限り、化学業界全体が割安であるといえます。
まとめ
ウェーブロックホールディングスの投資指標は、他の競合企業と同程度の水準にあります。現在の化学業界全体が割安と見なされている中で、ウェーブロックホールディングスのPERは11.87、PBRは0.32と低く、収益力や純資産に対して割安と言えるでしょう。
割安の要因には、化学業界における原油価格やナフサ価格の高騰による業績悪化懸念が挙げられます。しかし、産業・農業資材、金属調加飾フィルム等は、景気の影響を受けにくいディフェンシブな商品のため、景気悪化時でもウェーブロックホールディングスは安定的な需要が見込まれる企業と言えます。最近の株式市場における不確実性(もしトラ懸念やインフレ、国際情勢の変動など)から、こうしたディフェンシブ銘柄が注目されています。
また、市場では新NISAの導入に伴い、優待や配当を重視する投資家の間で配当銘柄の人気が高まっています。ウェーブロックホールディングスは配当利回り3.85%、配当性向55%で、業績の減少が見込まれる中でも安定した配当を維持しており、株主重視の姿勢が伺えます。2018年から一貫して配当を30円にする等、業績が下がっても株主還元を貫く姿勢が好感をもてるため、今後、投資家にとって魅力的な配当銘柄となる潜在力があります。
以上の理由から、ウェーブロックホールディングスの株式は現在の割安感を生かして投資を検討する価値があると考えられます。株価が上昇し、割安感が薄れる前に購入を検討するのが良いでしょう。
ウェーブロックホールディングスの株式は、現在の割安感を活かして投資する価値があります。割安感が薄れる前に購入を検討することをお勧めします。
引用
IR情報は、ウェーブロックホールディングス(株)(7940)の株価予測と2024年3月期、及び、2025年3月期の決算短信・説明会資料から引用しています。詳細は企業の公式ウェブサイトのIR資料室をご覧ください。
また、上記の報告書から取得できなかったIR情報については、Yahoo!ファイナンスから取得しています。詳細はそちらをご覧ください。
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