夏の車中泊、最大の敵はやはり「暑さ」ですよね。寝苦しい夜を過ごした経験がある方も多いのではないでしょうか。とはいえ、エンジンをかけたまま冷房を使うのは、音や排気ガスの問題から、周囲の車中泊利用者に迷惑がかかってしまうかもしれません。私たちもその点を考慮し、窓は開けても冷房は使わないようにしています。
そんな中、どうすれば快適に車中泊ができるのか。シンプルな解決策は「標高の高い場所で車中泊をする」ことです。一般的に、標高が100メートル上がると気温は0.6℃下がると言われています。
今回訪れた「道の駅 こすげ」は、標高729メートル。平野部より約4.4℃涼しく、標高が高いことで知られる「道の駅 富士吉田」(標高924メートル)よりもわずか1.1℃暖かい計算になります。
もちろん天候によっても変動しますが、最低気温は朝4時頃、就寝時間にあたる前日の夜22時頃は、その3℃ほど高いことが多いです。快適な睡眠に適した気温が20℃前後と考えると、理想の最低気温は17℃前後(±5℃が許容範囲)になります。
予定していた2024年9月15日~16日の神奈川県の天気は、最低気温26℃・最高気温34℃で晴れ。一方、小菅村は最低21℃・最高29℃、曇りの予報でした。理想よりやや高め(4℃)ですが、十分許容範囲内の気温と考えられます。
さて、実際に泊まってみた体感はどうだったのでしょうか?まずは簡単なレポートをお届けしたあと、本編ではどんな車中泊だったのかを詳しくご紹介していきます。
まずは、気になる気温はどうだった?
【関東・関西 天気予報 比較 2024年】
9/15 | 15時 | 18時 | 21時 | 0時 | 3時 | 6時 | 9時 | 12時 |
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小菅村 | 29℃ | 25℃ | 23℃ | 22℃ | 22℃ | 21℃ | 23℃ | 25℃ |
神奈川県 | 33℃ | 30℃ | 29℃ | 28℃ | 27℃ | 26℃ | 28℃ | 30℃ |
兵庫県 | 31℃ | 29℃ | 29℃ | 28℃ | 27℃ | 26℃ | 28℃ | 30℃ |
項目 | 評価 | 車内温度 | 感想 |
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全般 | 少し風のある場所(フォレストの反対側)で車中泊しました。 後部のサイドドアとバックドアを少し開けておくと快適に過ごせました。 | ||
14時22分(公園休憩時) | 36℃ | とても暑いですが、駐車中はエアコンは使いません。 風があるので、バックドアを全開にして休憩すればなんとかなります。 | |
15時49分(道の駅到着) | 31℃ | 到着時はまだ少し暑かったですが、 窓を開けていれば涼しく感じました。 | |
18時31分(夕飯時) | 30℃ | 夕飯は暖かいうどんを食べました。 窓を閉めていると汗が滴り落ちるほどでした。 | |
23時50分(就寝時) | 28℃ | 車内の温度が28℃は意外と涼しく感じます。 窓から入る風は車内より低く、まるでエアコンの風のようでした。 | |
朝5時16分 | 25℃ | この時間帯が一番涼しく、車内で25℃はとても快適です。 (エアコンの設定温度を想像すると分かりやすいと思います。) ぐっすり眠れました。 | |
朝7時25分 | 28℃ | 車内の温度28℃は意外と涼しく感じます。 窓から入る風は車内より低く、エアコンの風のように感じました。 | |
朝9時0分 | 30℃ | 30℃は少し暑く、じんわりと汗が出る感じです。 風があれば窓を開けてなんとか過ごせる程度でした。 |
総合
連休2日目のこの日は、天気予報では曇りでしたが、実際は夕方から雨が降り出していました。夜20時頃にはやみましたが、湿度はやや高かったと思います。前日に訪れた「道の駅すばしり」は標高825mでしたが、ここ「道の駅こすげ」は729mと約100m低く、気温も理論上は約0.6℃高いはずです。実際には1℃ほど高めでしたが、周囲に多くの木々があり、湿度の高さと相まってマイナスイオンが多く発生していた可能性があるため、「道の駅すばしり」より気温も湿度も高いものの、とても快適に感じられました。
雨が止んだ後も湿度は高かったと思いますが、周囲の木々からのマイナスイオンが夜も発生していたと考えられ、快適に過ごせました。
しかし、もし密閉されたVOXYの狭い車内で窓を締め切ったままだと、夕方でも二人いると体温の影響で車内がかなり暑くなってしまいます。気温の高い日は、窓を開けるだけで状況が改善されるので、ぜひこちらのブログを参考に、窓を開けられる装備を整えてから車中泊に出かけることをおすすめします。
レポートとしては以上で終わりですが、実はこの日、ある目的のために道の駅「こすげ」の駐車場で2泊させていただきました。私たちの車中泊がどのようなものだったのか気になる方は、ぜひこの先の本編をご覧ください。
なお、そのときの様子をまとめた動画も今後アップする予定です。こちらからもご覧いただけるようにする予定ですので、公開まで今しばらくお待ちください。
夕飯のお買い物
1日目の夕飯は、道の駅「すばしり」から道の駅「こすげ」に向かう途中にある「ザ・ビッグ 富士吉田店」で買い物をしました。2日目は、道の駅「こすげ」から車で約40分ほどの場所にある地元のスーパー「オギノ笛吹店」で食材を調達しました。
ちなみに、道の駅「こすげ」から最も近い大型スーパーは「イオン 大月店」で、こちらは車で約30分の距離です。

すみません、買い物の写真は撮り忘れました。「ザ・ビッグ 富士吉田店」は広くて安くて新鮮なので、毎回寄っています。「オギノ笛吹店」は少し小さめですが、地元のスーパーなので、たいていのものは揃います。
1日目:「桂川ウェルネスパーク」でジョギング


桂川ウェルネスパークは、大月市の丘の上に広がる、山の自然を活かした広大な公園です。西・中央・東の3つのゾーンに分かれており、合計40ヘクタール以上の敷地には散策路や芝生広場、アスレチック、ドッグランなどさまざまな施設が整っています。

この日、気温は30℃を超える炎天下の中でのジョギングだったため、暑さは少々厳しかったです。園内にはアップダウンもあり、ジョギング向きとは言い難い地形ですが、体を動かすには十分な環境でした。


暑さに耐えながら走っていると汗がどっと出ますが、公園内の建物「里山交流館」に入ると冷房がしっかり効いていて、一気に汗が引き、とても助かりました。


さらに、アスレチック遊具やターザンロープが点在する西ゾーンでは、子どもたちが元気に遊び回っていて、その様子はとても楽しそうでした。普段はおとなぶっている妻も、この日は童心に帰ったようにターザンロープや昔ながらのボール転がしゲーム等で遊んでいて、そんな姿にこちらも自然と笑顔になりました。


また、園内にはとてもきれいなトイレもあり、暑さや疲れがたまる中でも安心して利用できるのは嬉しいポイントです。


さらに、売店では地元産のじゃがいもや新鮮なピーマン、ししとうなどがとても安く販売されていて、ついつい買って帰りたくなるほどでした。

夏の暑さを避けつつも、自然と触れ合え、地元野菜の直売や休憩場所の快適さまでしっかり揃っているこの「桂川ウェルネスパーク」は、ジョギング目的はもちろん、家族連れでのリラックスタイムにもぴったりな素敵なスポットだと感じました。
お風呂は「小菅の湯」に入りました

温泉は、道の駅「こすげ」から徒歩で行ける「小菅の湯」に入りました。入館料は大人800円、子ども400円(いずれも3時間料金)で、営業時間は10:00〜18:00です。なお、定休日は毎週火曜日ですが、祝日の場合は営業し、翌日が休館日となります。

この情報は2025年7月4日時点のものですので、最新情報は公式ホームページでご確認ください。
温泉は高アルカリ性で、pH9.98という全国でもトップクラスの数値を誇ります。お湯は少しぬるぬるしていて、「美人の湯」といううたい文句にも納得です。露天風呂や五右衛門風呂があり、少し狭めですがサウナも備わっています。料金も高すぎず、気軽に利用しやすい施設です。


館内には自由に使える小さな休憩スペースがいくつかあり、中には個室になっている部屋もあります。お風呂上がりに横になって、ゆっくりくつろぐことができます。


また、館内の廊下にはところどころにマンガ本の棚があり、たくさんの作品が並んでいます。お風呂上がりに、読書を楽しみながらゆっくり休憩するのにぴったりです。



さらにレストランも併設されていて、お風呂上がりにクラフトビールをちょっと一杯楽しむこともできます。



雨の日は小菅の湯でゆっくり過ごす。そんな一日も悪くありません。

道の駅「こすげ」で車中泊
『道の駅小菅』は山あいにあるため、『道の駅富士吉田』や『道の駅すばしり』ほどの知名度はないかもしれませんが、実は自然豊かな田舎の魅力がぎっしり詰まった、ものすごいテーマパークです。


当然ですが、お土産などを扱う物産館があります。その物産館では、新鮮な野菜がたくさん販売されています。また、隣には小菅村の魅力を知るための「ふれあい館」があり、村の特色を感じられるスペースとなっています。小菅村は多摩川と相模川の源流部に位置するため「源流」が村づくりのキーワードとなっているようです。
そのキーワードを店名にした「源流レストラン」では、石窯で焼く本格的なピザを楽しめます。さらに、物産館から約50メートル離れた場所には先ほども紹介した「小菅の湯」という温泉施設があります。



このように『道の駅小菅』は、一般的な道の駅に比べるととても魅力的な道の駅ですが、さらにすごいところは、駐車場を挟んだ向かいに有料のアスレチック体験施設「フォレストアドベンチャー」があることです。
また、マウンテンバイクをレンタルできる「小菅マウンテンバイクベース」という施設も併設されています。
さらに、1キロも離れていない場所に釣りができるスポットが2箇所(小菅トラウトガーデン、小菅フィッシングヴィレッジ)もあり、アウトドア好きにはたまらない環境です。
こんな『道の駅小菅』は、日帰りではもったいない場所です。できれば何泊かしてじっくり楽しみたいところですが、車中泊が難しい方には、近くに「山水館」という民宿があります。また、道の駅からわずか約20メートルの場所には、完全予約制のタイニーハウス(大人2人で11,000円 ※2025年7月4日現在)もあり、気軽に宿泊することができます。

道の駅のトイレは?
トイレは、施設内に1ヶ所、施設外に2ヶ所あります。


施設内および温泉側にある屋外トイレは新しく、とても清潔ですが、利用時間は9:00~17:00に限られ、夜間は閉鎖されます。一方、施設外の山側にあるトイレは24時間利用可能ですが、やや古さを感じる造りです。それでも丁寧に清掃されており、清潔さは保たれています。ただし、冬場の隙間風を防ぐ対策が取られているようで、やや匂いがこもることがあります。便の臭いというよりは、清掃時に使用されている薬剤の匂いが強く感じられました。また、男性用の大便器が1基しかないため、混雑時には女性用トイレ内の多目的トイレと併用する必要がある点がやや残念です。
夕飯は車内でうどんを食べました
この日は前日にお酒を飲んでいたこともあり、夕飯は軽めにしようと思って、あたたかいかけうどんを用意しました。外はわりと涼しかったのですが、車内は31℃と少し蒸し暑く、汗をかきながらの夕飯になりました。


画像では伝わりにくいかもしれませんが、しっかり出汁をとって丁寧に仕上げたうどんは、見た目以上にとてもおいしく、満足の一杯でした。やはりうどんは、飲んだ翌日の少し荒れた胃にじんわりとしみわたり、ぴったりの食べ物だと思います。
ただ、いつものことながら、スーパーのお惣菜コーナーの誘惑に勝てず、「うどんだけのつもり」が気づけばメンチカツや野菜のかき揚げまでカゴに入っていました。残っていたおひたしも添えて、結局しっかり胃に負担をかける夕飯に。軽めのつもりが、すっかりお腹いっぱいです。
とはいえ、明日のフォレストアドベンチャーに備えて、しっかりエネルギーをチャージできた気がします。
洗い場がありました

この施設にはもともとRVパークも併設されていたようで、洗い場が設置されていました。私たちは使った食器は車内でこっそり洗うことを徹底しているため、このような施設を利用することはありませんが、他の車中泊利用者が使ってもよいのかな?と少し気になりました。
翌日はフォレストこすげに行きます


この道の駅は雰囲気がとても気に入っており、何度も訪れていますが、今回はフォレストアドベンチャーこすげで自然を満喫するアスレチック体験が目的で訪れました。フォレストアドベンチャーの様子は別ページで詳しく紹介する予定です。

翌朝の絶景
山に囲まれた小菅村を見下ろせます。


翌朝、フォレストアドベンチャーから撮影した小菅村の景色です。絶景というより、どこか懐かしく親しみやすさを感じる風景で、こんな場所に住んでみたいと思わせる、そんな雰囲気のある小菅村の景色です。
暑さはどうだった?
今回は、標高が高い場所を求めて、富士山の近くにある『道の駅こすげ』で車中泊をしました。
15時49分に道の駅に到着した時点での車内温度は31℃。窓を開けていれば、暑さは感じつつも比較的涼しく過ごせました。



夕方18時31分、夕飯の時間には30℃。このときは暖かいうどんを食べましたが、窓を閉めていると汗が流れるほど暑く、窓を開けていないと厳しい状態でした。
夜23時50分、就寝前には28℃まで下がり、窓から入ってくる風はそれよりさらに低く感じられ、まるでエアコンの風のようでした。この頃にはだいぶ快適に過ごせる温度になっていました。
翌朝5時16分には25℃で、この時間帯がもっとも快適でした。車内で25℃というのは、エアコンの設定温度でいう「涼しい」と感じるレベルです。



翌朝7時25分には28℃、9時には30℃まで気温が上がってきましたが、朝のうちは風もあって、窓を開けていれば十分しのげる程度でした。
標高約700メートルという山の中にある場所なので、平地に比べるとかなり涼しく感じられました。特に夜や朝方は、寒いと感じるほどで、夏の暑さを避けて過ごすにはとても快適な環境だったと思います。
次はいよいよ4日目です。今度はどんな場所でどんな気温で、どんな一夜になるのでしょうか。ぜひそちらも楽しみにしていてくださいね!
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