開催日:2025年3月2日(土)
レース展開予報
第99回 中山記念(GⅡ) 4歳以上オープン 1,800(芝)別定
予報要約
先行有利のコースで、1800m初挑戦の単騎逃げ馬。安定有力馬は経験不足。伏兵馬届くか?!
展開予報
レースプロファイル予報
脚質:先□■□□□
差 ⇒ 先行有利も瞬発力勝負向きの展開
時計:遅□□■□□
速 ⇒ 1:45秒台。上がり33秒台
馬券:荒□□□■□
堅 ⇒ 安定有力馬は経験不足。伏兵馬届くか?!
馬場:雨□□□□■
晴 ⇒ 雨予報なし、良馬場濃厚
フルゲート16頭に対し、18頭が登録されており、グラティアスとグリューネグリーンが除外予定です。ただし、出走回避馬が出れば出走可能になります。出走馬が確定する2月28日(木)(確定は16:00すぎ)までは、除外を意識せずに予想することにします。
前走の東京新聞杯で逃げて好成績を残したメイショウチタンが、今回も逃げる競馬をしたいと考えているでしょう。他に初速が速そうな馬は、グラティアス、シックスペンス、ソウルラッシュ、パラレルヴィジョン、ボーンディスウェイ、マテンロウスカイですが、メイショウチタンほど初速が速くはないため、メイショウチタンがすんなりとハナを奪える可能性が高いと考えています。
ただし、中山1800mは最初のコーナーまでの距離が200mしかないため、外枠に入ると不利になるため、枠順には注意が必要です。また、スタート直後に急坂があるため、外枠の馬がうまくポジションを取れないケースも考えられます。中距離戦のため、前半は無理にポジションを取りに行かないで、仕方なくペースを維持することになると考えられます。そうなると、前半はペースが落ち着いて、ペースが動くのは向こう正面の3コーナー手前あたりからと推測できます。
向こう正面の3コーナー手前あたりから、序盤に良いポジションを取れなかった後方待機馬や、長くいい脚が使えるアルナシーム、ボッケリーニなどがペースを上げてくることが想定できます。これに合わせて、先行馬や逃げるメイショウチタンもペースアップするでしょう。しかし、小回りの中山1800mは、スピードを上げすぎると外を回されてしまい、距離ロスになる可能性があることも忘れてはなりません。うまく内をつけた馬か、小回りが得意な馬の中で、4コーナーを回った時点で5番手以内につけられた馬が有利になります。一方、後方から外を回った馬は不利になりやすく、相当な瞬発力が求められる展開になるでしょう。
メイショウチタンは、今回は初めての1800m戦となるためややペースを落とすでしょうが、途中からよどみない流れになり、最終的な走破時計は1分45秒台、勝ち馬の上がり3Fは33秒台になると考えています。
注目馬の分析
◎ソウルラッシュに注目しています。この馬の魅力は、先行しても控えても確実に伸びてくる末脚です。このメンバーであれば、この馬の能力が抜けていると考えています。前々走でようやくマイルのG1を勝ちましたが、2022年の春から重賞を使い続け、成績は(4,4,2,4)と安定しています。大きく負けたのは2年前と3年前の安田記念での9着・13着ですが、東京コースが苦手だったとも考えられます。それでも昨年の安田記念では3着に好走しました。その他の重賞ではすべて4着以内と、実績は申し分ありません。状態面も良好で、CWの1週前追い切りでは 80.6-36.0-10.7 と抜群の動きを見せていました。懸念材料は、1800mが初距離となることと、7歳という年齢です。また、1800m以上の距離を走るのは約3年ぶりになります。しかし、中山芝1600mでは今回より1kg重い59kgを背負い、1:31.6(33.6) という時計で走破した実績があります。200m延長分を12秒と見積もると 1:43.6 となり、このメンバーなら十分対応可能でしょう。また、この馬は最近控える競馬をしていますが、それはGⅠ等で他の馬の初速が早かっただけで、本来この馬ももともとは先行馬です。控える競馬をしたときの前半3ハロンの走破時計を見ても、ずっと35秒台で走っており、このメンバーであれば楽に先行できる時計です。また、年齢は能力だけで十分カバーできると見ています。
〇シックスペンスにも注目しています。この馬の魅力は、先行力と確かな末脚です。また、ダービー以外は全勝という未知の魅力もあります。中山コースは 3戦3勝、東京1800mでは 1:45.1(上がり33.3) の時計を持っています。鞍上は、デビューからずっとルメール騎手が騎乗しており、信頼もあります。懸念材料は、5ヶ月の休養明けと、初めて背負う 58kg の斤量です。前走は古馬との初対決で56kgでしたが、今回は2kg増えます。また、前走出走予定だったマイルチャンピオンシップを 怪我で直前回避 した点も気になります。追い切り後に歩様が乱れ、検査の結果 蹄の炎症で膿がたまっていた とのことです。休養を取って状態が戻っているか、調整がしっかりできているかを 調教や馬体重を見てしっかり確認する必要がありそうです。
▲マテンロウスカイに注目しています。この馬の魅力は 1800mに狙いを定めている点 です。GⅠに1800mのレースがないため1600mや2000mのGⅠに出走していますが、基本的には1800mを中心に使われています。しかし、中山1800mは 1回のみの出走で、やや重の馬場を 1:48.1(37.2) で勝利しています。また、持ち時計は 東京1800mで1:44.7(34.4) というものがあります。能力では上位2頭の方が上のような気がしますが、状態次第では上位争いしてもおかしくありません。懸念材料は、 良馬場の中山1800mが初めて という点ですが、この馬は先行する馬のため 中山コースは合いそう です。新馬戦で秋山騎手が騎乗して以来、横山典弘騎手がずっと手綱を取っているのも信頼できる点です。昨年秋の毎日王冠では、直線で前が詰まる不利がありました。きっと、騎手、陣営共に悔しい思いをしているはずですので、今回は、その時の雪辱を果たすための策を練っている可能性にも期待したいです。
△タイムトゥヘヴンにも注目しています。この馬の魅力は、 上がり最速で駆け上がってくる強烈な末脚 です。いつも出遅れて後方から競馬をするため 33秒台、時には32秒台のすごい脚 を使うこともあります。長くいい脚を使うというよりも 一瞬の切れ味で勝負する馬のため、 東京コースよりも中山コース向き と考えられます。昨年の中山記念はやや重で不発に終わりましたが、それでも6着まで追い上げています。良馬場ならもう少し詰められたかもしれません。芝1800mの成績は 4戦して最高着順が4着、持ち時計も 東京1800mで1:45.9(34.4) 15着と平凡ですが、1800mの出走数自体が少ないため度外視できるでしょう。しかし、 中山芝1600mの持ち時計は1:31.0(32.4) と抜群です。計算上ではありますが、12秒を足せば 1:43.0 となり、1800mでこの時計で走ることができれば、このメンバーなら十分対応可能です。懸念材料は、 1800mという距離がこの馬の脚質に合わない展開になる可能性です。ただ、今回のメンバーを見ると、展開の鍵を握る逃げ馬は 短距離馬のメイショウチタン であり、マークされるであろう、もう一方の展開の鍵を握る有力馬も先行しそうなソウルラッシュと1600mを主体にしている馬たち です。その展開を握る2頭が、マイル特有のよどみない流れを作って、末脚勝負に持ち込める展開になったとしたら、この馬の追い込みが決まるシーンも十分あり得ます。
☆メイショウチタンにも注意が必要です。この馬の魅力は、 よどみない単騎逃げが得意な点 です。今回、スタート3Fの速い馬は何頭かいますが、中距離を意識している馬が多いため、前半はそれほど競られない可能性を予想しています。ただし、メイショウチタン自身も 1800mは少し長い と思っているはずで、自身も前半はゆっくり入るでしょう。しかし、この馬の持ち味は マイル特有のよどみない流れを作り、後方勢の脚をなくす走りです。そのため、瞬発力勝負に持ち込みたい馬たちの末脚を削ぐ展開を狙って、1800m戦でありながら 1600m戦のような乗り方 を狙っているはずです。向正面からスピードを上げて、なるべくゴールまで息を付かせない走りに、途中から切り替えるでしょう。1800mの実績がないため走破時計は計算で求めるしかありませんが、 東京芝1600mの持ち時計が1:32.8 であることから、12秒を足した 1:44.8前後で走ることができそうです。このメンバーの持ち時計と同水準のため、なんとか通用する時計と考えられます。懸念材料は、 1800mが初めて であることと、 年齢が8歳 と上がりめが少ないことです。調子落ちがないかを 調教や馬体重をチェックして状態の見極めを行う必要がありそうです。
その他では、エコロヴァルツ、パラレルヴィジョン、ボーンディスウェイにも注目しています。調教や馬体重等、近況の状況によっては印を入れ替える可能性があります。
共通のレース展開プロファイル
中山1800m コース特性
スタンド前の坂の手前からスタートします。コーナーまでは200mしかないため、騎手の心理としてはポジション争いが激しくなりがちですが、スタート直後が急坂で、さらに1~2コーナーの途中にある高低差約5.3mの坂の頂上まで上り坂が続くため、実際にはそれほど激しくなりません。当然先行馬は内枠有利ですが、スタートをうまく決めて先行すれば、そのままのポジションを維持しやすいのが特徴です。
2コーナーから向正面の中ほどにかけては下り坂になるためスピードが出やすいですが、後半に向けて脚をためたいことからペースを抑える傾向があります。3~4コーナーは小回りで平坦です。最後の直線が約310mしかないため、4コーナーを出た時点である程度の位置につけていないと勝ち負けは難しくなり、差し馬は3コーナーあたりから早めに仕掛けることがあります。
ゴール前には約2.2mの急坂がもう一度待ち構えています。小回りを立ち回る器用さとアップダウンに対応できるパワーが求められるコースです。基本的には逃げ・先行馬が有利ですが、3~4コーナーからまくる器用な差し馬も結果を残しているコースです。

中山記念 過去10年の傾向
過去10回の開催のうち、良馬場は8回、稍重は2回でした。2025年2月24日(月)時点の天気予報では、日曜日まで雨の予報はなく、良馬場での開催となる可能性が高いでしょう。以下では、良馬場での開催8回の傾向をもとに分析します。
出走馬92頭(1レース平均約12頭)のうち、馬券圏内に入ったのは24頭。その中で、逃げ馬の成績は(1-0-3-4)(50%/8頭)ととてもいい成績です。一方、4コーナーを3番手以内で通過した先行馬(まくり含む)は11頭(45%/24頭)が馬券に絡んでおり、5番手以内まで広げると18頭(45%/40頭)、それ以外の馬は6頭(12%/52頭)と、4コーナー5番手以内の先行馬の好走が目立ちます。対して、4コーナー10番手以降の追い込み馬は0頭(0%/41頭)と1頭も馬券に絡んでいません。9頭立てのレースもあるような(平均12頭立て)頭数の少ないレースが多いですが、追い込み馬にはとても厳しいデータとなっています。コースの傾向通り、先行有利の傾向が見られます。
勝ち馬の走破時計は1分44秒9~1分47秒1と少し幅がありますが、1分45~46秒台での決着が多いようです。また、上がり3ハロンのタイムは33秒5~37秒3と幅がありますが、遅い時計は、あのパンサラッサが逃げて勝ったときのもの(37.3)で、そのときは追い込んできた2着のカラテでさえ36.0もかかっていることから、パンサラッサがスタミナ勝負に持ち込んだ特殊なレースでした。スタミナのある馬が飛ばして逃げる等、展開が早くなって上りが遅くなったときは、先行した馬が残る傾向が強く、逆に展開が遅くなって上りが速くなったときは差し馬が届く傾向にあるようです。先行馬と差し馬との上がりのタイム差は0.5~1.0秒くらいです。

個別のレース展開プロファイル
開催1週目
「開催1週目はまだ芝がきれいなため、顕著なトラックバイアスは見られないはずです。内外で芝の状態が変わらないため、コースロスの少ない内枠を走った方が有利なはずです。詳しくは下記サイトを参考にしてください。
おまけ
予報に基づくvoxねこ夫の予想
◎8ソウルラッシュ
◯1シックスペンス
▲9マテンロウスカイ
△3ボーンディスウェイ
☆5タイムトゥヘヴン
注7メイショウチタン
買い目 1800円
馬連Box◎〇▲,◎-△☆注
3連複◎-〇-▲△☆注
3連単◎→〇→▲△☆注,◎→☆→〇▲△注
◎能力上位
〇未知の魅力
▲1800m巧者
△先行注意
☆中山末脚強烈
注逃げ注意
レース結果:予報と予想の検証
レースプロファイル予報(◎:想定通り,〇やや想定通り,×:やや想定外,✖:想定外)
◎脚質:先□■□□□差 ⇒ 先行有利も瞬発力勝負向きの展開
⇒先行有利で最後は瞬発力上位が1,2,3,4着
〇時計:遅□□■□□速 ⇒ 1:45秒台。上がり33秒台
⇒1:44.8(33.9)
〇馬券:荒□□□■□堅 ⇒ 安定有力馬は経験不足。伏兵馬届くか?!
⇒1,2,3番人気で決着も4着は14番人気と届かず
◎馬場:雨□□□□■晴 ⇒ 雨予報なし、良馬場濃厚
⇒レコード決着になるくらいの良馬場
【レース結果】
1着 枠1 1番 シックスペンス
2着 枠2 4番 エコロヴァルツ
3着 枠4 8番 ソウルラッシュ
4着 枠3 5番 タイムトゥヘヴン
5着 枠8 16番 クルゼイロドスル
タイム
ハロンタイム 12.5 - 11.5 - 11.6 - 11.4 - 11.5 - 11.5 - 11.6 - 11.6 - 11.6
上り 4F 46.3 - 3F 34.8
コーナー通過順位
1コーナー 7(4,12,13)3(1,9,16)(8,10)(11,15)14,6,5,2
2コーナー 7,13(4,12,16)3(1,9)(8,10)(11,15)14,6,5,2
3コーナー 7,13(12,14)(4,3,16)(1,8,9)(11,10)(15,5)6,2
4コーナー 7,13(4,12)(3,14)(1,8,16)(11,9,10)15(6,5)2
※色の違い 1着:太赤|2着:細赤|3着:太青|4着:細青|5着:太緑
【レース回顧】
エコロヴァルツが絶好のスタートを切りましたが、メイショウチタンがゆっくりと先頭に立ちました。メイショウチタンは最初の200mこそスローで入ったものの、1コーナーを回ったあたりからは11.5秒前後のラップをゴールまで刻み続ける、よどみない流れを作りました。正確なラップを刻む吉田豊騎手の騎乗はさすがでした。このペースで逃げられると後続馬はスタミナを削がれるため、スタミナのない馬には厳しい展開になります。シックスペンスに騎乗したルメール騎手は、この流れを嫌って一旦息を入れるために、いつもの先行策ではなく中団待機策を取りました。ソウルラッシュも終始シックスペンスをマークする形で中団待機策を選択します。一方、このよどみないペースを歓迎したのがエコロヴァルツでした。終始メイショウチタンをマークする形で進み、4コーナーを回る頃にはメイショウチタンを捕まえます。やはりメイショウチタンには少し距離が長かったのかもしれません。消耗戦が繰り広げられる中、底力のあるシックスペンスとソウルラッシュがエコロヴァルツに食らいつき、最後はシックスペンスがエコロヴァルツをかわしたところがゴールでした。吉田豊騎手、ルメール騎手の素晴らしい騎乗が光る素晴らしいレースでした。
voxねこ夫の予想
3着◎8ソウルラッシュ
1着◯1シックスペンス
9着▲9マテンロウスカイ
8着△3ボーンディスウェイ
4着☆5タイムトゥヘヴン
6着注7メイショウチタン
買い目 1800円
馬連Box◎〇▲,◎-△☆注
3連複◎-〇-▲△☆注
3連単◎→〇→▲△☆注,◎→☆→〇▲△注
【何がダメだったのか】
私のエコロヴァルツの評価が低すぎました。前走の中山1800mで出した1:45.2という時計は、かなり優秀なものです。人気になりそうなシックスペンスとソウルラッシュを狙っていたため、もう1頭の人気馬を切りたいという心理が働いてしまい、冷静な判断ができなかったと反省しています。騎手心理は考慮すべきかもしれませんが、基本的には人気とレース結果は関係ないことを忘れてはなりません。レースは早い馬が先着するだけなのです。特に外国人騎手は、人気馬への騎乗に対するプレッシャーがあまりありません。むしろ若手の団野騎手の方が、プレッシャーを感じていたことを考えるべきでした。さらに、メイショウチタンが逃げることが予想できていて、よどみないペースになると分かっていたのであれば、息を入れられない展開が苦手なマテンロウスカイやボーンディスウェイは切るべきでした。改めて、ペースは逃げ馬と人気馬が作るという原則を忘れてはならないと痛感しています。
過去のレース展開予報とvoxねこ夫の予想
まだありません。
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