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快適な車中泊!アウトドア電源の充電対策:第1回 – 長期車中泊に必要な電力計画と家電

アイキャッチ画像:ポータブル電源とソーラーパネル選び:第1回 -持って行く家電の電力値を調べる
持って行く家電の電力値を調べる

昔、サラリーマンをしていた頃、サーフィンを楽しむために頻繁に車中泊をしていました。当時はただ眠るためだけに車中泊を行っていましたが、30年経った今では、車内で様々な家電が利用できるようになり、快適に過ごすことができるようになりました。

快適な車中泊を楽しむためには、ポータブル電源が欠かせません。短期の2~3日間の車中泊であれば、自宅で充電して持っていけばいいですが、長期間の場合は、ポータブル電源に絶えず電力を供給し続けなければなりません。そのためには、ソーラーパネルで充電する必要がありますが、ポータブル電源とソーラーパネルには相性があります。

当然ですが、ソーラーパネルの出力端子とポータブル電源の入力端子のコネクタが合わないと充電ができません。さらに、ポータブル電源には、過電圧、過電流、温度などを検知し、損傷を防ぐ保護機能が備わっています。これらの保護機能が作動すると、ポータブル電源は充電されません。相性の良い製品を選ぶことが、重要です。

このシリーズでは、長期車中泊に必要な家電、ポータブル電源、ソーラーパネルの選定基準を解説していきます。

第1回目では、持参する家電とその消費電力を確認し、電力計画を立てる方法について説明します。どの家電を利用するかを明確にすることで、自分の車中泊スタイルに合ったポータブル電源とソーラーパネルを選定することができます。

ポータブル電源選びのポイント

車内は狭い

車内は狭いので、ポータブル電源はコンパクトで軽量なものが好ましいです。しかし、小型で軽量なものは容量が制限されるため、利用できる家電が限られてしまいます。逆に、大容量のポータブル電源は多くの家電を使えますが、重くて大きいため、車内での持ち運びには不便です。また、価格も高くなります。

できるだけ家電の電力減らし、使用する電力に合った適切なサイズのポータブル電源を選ぶことが効率的です。

voxねこ夫婦(ぐうたん)
voxねこ夫婦(ぐうたん)

ものが多いとじゃまなんだにゃ~

そのためには、ポータブル電源と各家電の電力を比較する必要がありますが、まずは、比較の基本となる単位について整理しておきましょう。

電力単位の違い(Wh:ワットアワー と mAh:ミリアンペアアワー)

一般的な家電製品の仕様欄に記載される単位はWh(ワットアワー)です。一方、ポータブル電源の仕様欄に記載されている単位は主にmAh(ミリアンペアアワー)です。この2つの単位は電圧が違うため異なる単位ですが、比較するためには、これらの単位を合わせなければんりません。

voxねこ夫婦(妻)
voxねこ夫婦(妻)

mAhってモバイルバッテリーの単位だよね?

1000で割ればWhになるんじゃないの??

voxねこ夫婦(夫)
voxねこ夫婦(夫)

mAを1000で割るとAになります。

でも、モバイルバッテリーのmAhは、

電圧が3.7Vと特殊な値で固定しているため、

100Vで固定されている家電の電力量(Wh)に

合わせるためにはもうひと手間必要です

Wh:ワットアワー(家電製品の消費電力量)

Wh(ワットアワー)は、一般的な家電製品の消費電力量を表す単位で、1時間あたりの値を示します。以下の公式で求めることができます。

消費電力量(Wh)=電流量(A)×電圧(100V)

使用する電流量(A)と電圧(100V)をかけて求めます。日本の場合、ACコンセントが100Vで固定できるため、同じ家電同士であれば、電流を比較するだけで電力を比較することができます。

mAh:ミリアンペアアワー(ポータブル電源の消費電力量)

mAh(ミリアンペアアワー)は、モバイルバッテリーやスマートフォンなどに使用される単位で、『1時間で消費される電流量(mA)』を表します。ほとんどのモバイルバッテリーが3.7ボルトのリチウムイオンを使用しているため、モバイルバッテリー同士を比較しやすくするために、あえて『全ての容量を3.7Vで1時間消費した場合の値(※)』にしています。JIS規格で以下の公式で表されます。(※比較するための値ですので、実際に1時間で使い切る訳ではありません)

消費電力量(mAh)= バッテリーの容量(電流量(mA))× 電圧(3.7V)

voxねこ夫婦(夫)
voxねこ夫婦(夫)

ほとんどのモバイルバッテリーが3.7Vなのは、電池の材料であるリチウムイオン(リチウムコバルト酸化物やグラファイトなど)の化学反応が、3.7Vだからです。実際には、2.5〜4.2V(または2.7V)まで変動しますが、3.7Vはその平均値です。ちなみにアルカリ電池は1.5V(マンガン酸化物と亜鉛の化学反応)、鉛蓄電池は2V(鉛と酸の化学反応)です。

mAhは、モバイルバッテリー同士を比較するときは便利ですが、100Vの家電製品と比較するためには、電圧が異なるため、そのまま比較することができません。以下の計算を加え、単位を合わせてから比較します。

消費電力量(Wh)=(消費電力量(mAh)÷ 1000) × 3.7ボルト(V)

1000で割って単位をA(アンペア)にした後、電圧(3.7V)を掛ければ同じ単位になります。

この公式を約分して単純にすると、

消費電力量(Wh)=消費電力量(mAh)×0.0037ボルト(V))

となります。

まとめ

家電とポータブル電源の容量を比較するためには、ポータブル電源の仕様欄に記載されたmAhに0.0037を掛けて家電の消費電力量(Wh)に直して比較する

voxねこ夫婦(妻)
voxねこ夫婦(妻)

へーそんなんだ~。

ややこしいことはよくわからないけど、

ポータブル電源のmAhの値に0.0037をかければ

家電消費量と比較できるってことね?

voxねこ夫婦(夫)
voxねこ夫婦(夫)

そう、その通り!それだけ覚えれば十分です!

voxねこ夫婦(ぐうたん)
voxねこ夫婦(ぐうたん)

ねむいんだにゃ~

電力計画:主要家電が1日に必要な電力量の計算

次に、車中泊で使用される代表的な家電の電力消費量(W※)を考えます。

※本来、Whは1時間で使用する電力量を表す単位ですが、複数時間の場合も同様に(Wh)で表すことがあります。しかし、1時間なのか複数時間なのか、混乱してしまう為、このブログ内では、1時間でない場合は(W)で表すことにします。

スマートフォン:14.8W/日

スマートフォンは、一般的に3000m~5000mAhの容量があります。ここでは、4000mAhで計算しました。1日1回、0%から満タンにする場合、4000mAh × 0.0037V = 14.8W/日の電力が必要です。車中泊では、カーナビや情報検索、ゲームなどでスマートフォンを頻繁に使用するため、1日でバッテリーを使い切ってしまうことがよくあります。

電気ランタン:4.625W/日

ランタン選びは明るさが重要です。その明るさはルーメンという単位で表されます。昭和生まれの私もそうですが、一般的にはワット相当で表現された方がわかりやすいと感じる人が多いと思います。光源の明るさを示す一般的な目安として、20W相当は約170ルーメン、40W相当は約485ルーメン、60W相当は約810ルーメン、100W相当は約1520ルーメンと言われています。狭い車の中では、20W相当でも十分と明るいと感じると思います。

仮に350ルーメン(30W相当)程度の明るさを持つ電気ランタン約5000mAhで考えてみます。(実際にあるものです)

0%から満タンにするには5000mA×0.0037V=18.5Wです。満タンで約12時間使用できますので、1日3時間使用で4日使えます。1日当たりは、4.625W/日になります。

LED電球:10W/日

20W相当の電気ランタンの明るさが不十分と感じる場合、クリップライトにLED電球を取り付ける方法があります。一般的なポータブル電源にはACコンセントが備わっているため、このような取り付けが可能です。

消費電力はわずか2.6Whですが、光度は350ルーメン(約30W相当)ありますので、結構明るく感じます。具体的には、日が暮れて車内で料理ができるくらいの明るさです。

例えば、18時から22時までの4時間使用したとしても、消費電力は1日たったの10.4Wです。

夜中に探し物をしなければならない場合など、2.6Whの電球(350ルーメン)だけでは暗いと感じるときがあるかもしれません。その場合、クリップライトを2灯式にして、2.6Whの電球と7.1Whの電球を設置するという方法があります。7.1Whの電球(60W相当、860ルーメン)は、車内ではとても明るく感じると思います。

voxねこ夫婦(夫)
voxねこ夫婦(夫)

私もこの方法を採用していますが、街灯などの明かりが少ない場所での車中泊では、7.1Wh(860ルーメン)は明るすぎて、なかなか使う機会がありません。2灯式なので、普段は2.6WhのLEDを使用し、必要に応じて7.1WhのLEDを併用して使っています。

パソコン:44W/日

最近では、スマートフォンがパソコンのようにいろいろなことができるため、パソコンを持っていく必要はなくなりました。しかし、私はandroidアプリの保守とブログのメンテナンスのために必ずパソコンを持っていきます。同じように、何らかの理由でパソコンを持参する方も多いと思いますが、一般的なパソコンは意外と電力を消費します。

ノートパソコンの消費電力は30Wh~60Whです。例えば、2024年5月現在の最新機種の『Let’s note SR3 CF-SR3GK6AS』の定格入力電力値は39W、最大消費電力は65Whです。仮にこのパソコンを4時間使用した場合、156Whの電力が必要です。(定格の場合。最大は260Wh)この電力量は、一般的なポータブル電源(約300W)の半分以上をたった4時間で使う量です。この値を見てしまうと大容量のポータブル電源が欲しくなるかもしれませんが、大容量のポータブル電源は大きくて重い上、ソーラーパネルでの充電に多くの時間がかかるため、長期間の車中泊にはあまりおすすめできません。やはり、消費電力が少ないパソコンを選ぶことをおすすめします。

たとえば、私が持っているインバースネット株式会社(FRONTIER)から販売されている『FRT220Pパソコン(10.1型 2in1 タブレット 着脱式キーボード搭載)(2020年9月1日発売)』は、わずか最大11Whしか消費しません。

省電力ノートパソコンFRT220P

ここまで消費電力を抑えられているのは、6WhのCPU『Celeron N3350』を搭載しているためです。4時間使用しても最大44W/日しか消費されません。最大なので、例えば、ブログの更新や写真・動画の整理を行うだけなら、さらに低い消費電力です。

また、このパソコンには4GBのメモリが搭載されています(増設はできません)ので、インターネット閲覧やエクセル・ワードなどOfficeの使用も可能です。

ただし、YouTube等の動画編集やAndroidアプリ開発など、多くのメモリを必要とする作業には向いていません。また、メモリ使用効率の高いLinuxをインストールすることもできません。(メーカーに問い合わせて確認をしました)もし、メモリを多く必要とする作業を行いたい場合は、残念ながらポータブル電源を動力源にすることをあきらめて、スターバックスやマクドナルド、図書館などで高スペックのパソコンを利用することをおすすめします。

voxねこ夫婦(夫)
voxねこ夫婦(夫)

2023年11月時点で、この製品の新品は未発売です。購入の選択肢は中古品に限られます。高スペックが求められる今の時代、消費電力が極端に低いパソコンは数少ないですが、使用方法によっては消費電力を抑えることも可能です。

パソコンの構成要素の中で最も電力を消費するのはCPUです。CPUが低消費であれば、パソコン全体の消費電力も低くなります。『おすすめ主要CPUの性能比較・一覧表』などのページを参考にして、5Wh,6Wh等の低消費電力のCPUを搭載したパソコンを選ぶことも一つの方法です。

おすすめ主要CPUの性能比較・一覧表【2024年5月最新版】
2024年5月時点での主要CPU性能の比較一覧表です。新しめの主要CPUのみを掲載しているため、主にこれからPC購入を考えている人向けの比較表になります。※価格は記事更新時点での主に価格.comやAmazonでの価格とな ...
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KZ20/X 価格.com限定モデル ブラック&ベージュ タッチパネル付き10.1型WXGA W6KZ2XCUAB (Officeなし)のDynabook Direct(dynabook(ダイナブック)公式オンラインストア)ご購入ページです...
voxねこ夫婦(夫)
voxねこ夫婦(夫)

こちらの2024年モデルのノートパソコンは、Celeron N4500(6W)を搭載しています。Windows 11が搭載されており、8GBのメモリも付いていますので、もしかしたら、動画編集やandroid開発が可能かもしれません。実際に購入して試してしませんので、あくまでも憶測ですが、手頃な価格で満足度が高い製品の可能性を感じます。

テレビ:60W/日

今は車にテレビが標準装備されているのが一般的です。持参するという発想は少ないかもしれませんが、エンジンをかけずに視聴したい場合や、自宅で録画した映画やバラエティ等を楽しみたい時など、テレビを持参する意味もあります。

そんなときにおすすめの製品は(TH-TV16TW01 TOHOTAIYO)です。録画用のハードディスクは別途購入する必要がありますが、録画機能が備ってこの値段(約1万円)は驚きです。さらに、消費電力がわずか12Whというのが1番のおすすめです。

省電力テレビ TH-TV16TW01 TOHOTAIYO
TH-TV16TW01 TOHOTAIYO


デメリットは、視野角が狭いことです。コストと消費電力を抑えたエッジ型(液晶を周囲に配置する方式)の限界のようです。正面から見ると美しい映像が楽しめますが、少し左右や上下にずれると画面の端が暗くなり、映像がよく見えません。夫婦で鑑賞する場合は、お互いの位置から見えるようにテレビの角度を微調整して1~3メートル離れた位置から鑑賞すれば、問題なく楽しむことができます。

仮に1日に4時間視聴した場合、48W/日の電力が必要です。

voxねこ夫婦(妻)
voxねこ夫婦(妻)

へー?

結構きれいなのに消費電力量は少ないんだね~?

voxねこ夫婦(夫)
voxねこ夫婦(夫)

一般的な16インチテレビの消費電力は50~60Whなので、

12Whってすごく少ないんだよね。

2024年5月時点で、この商品の新品の発売はありません。中古で手に入れるしか方法がありません。

新品であれば、日本の滋賀県にある(株)ASTON(2020年設立)という会社から、『ASTON CONEX 16インチ 液晶テレビ ハイビジョン HD 地上デジタル 壁掛け 外付けHDD 録画 HDMI端子 PC入力端子搭載』が販売されています。仮に1日に4時間鑑賞した場合、60W/日の電力が必要になります。

voxねこ夫婦(夫)
voxねこ夫婦(夫)

(TH-TV16TW01 TOHOTAIYO)より若干消費電力は高いですが、それでもたったの15Whです。メーカー保証が1年あり、ハイビジョン録画が可能でこの価格(2024/5/2時点のamazonで\7800)は非常におすすめの製品です。視野角が狭い点に関しては、この製品も同じようです。

このページでは、車中泊で使用する家電がどれくらいの電力を必要とするかを考察しました。次回は、これらの家電が消費する電力を基に、実際にポータブル電源を選ぶ際のポイントをご紹介いたします。

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