2025年　函館記念（GⅢ）の競馬予想～重賞展開予報～

開催日：2025年6月29日（日）

レース展開予報

サマー2000シリーズ第61回農林水産省賞典函館記念（GⅢ） 3歳以上オープン 2,000（芝）ハンデ

以下は、2025年6月24日（月）時点での予想です。今後、天気予報、調教や枠順などの情報により予想が変わる可能性があります。内容に影響を与えない範囲での加筆や文章の校正は随時行いますが、大きな修正が必要となる場合は、日付を明記した上で追記として対応する予定です。

予報要約

アウスヴァールの短期逃げ濃厚。スロー前提で前有利。早仕掛けを強いられてもまくる馬は届くのか？

展開予報

レースプロファイル予報
脚質：先□■□□□差　⇒　スローで先行有利。スタミナあるまくる馬がどこまで迫れるか
時計：遅□□■□□速　⇒　1分59秒台、上がり先行35秒後半（差し馬は35秒台前半）
馬券：荒□■□□□堅　⇒　人気馬の位置取り次第も前残りであれば荒れる

馬場：雨□□□■□晴　⇒　良馬場。開催当日まで雨予報無し。開催当日も曇時々晴

逃げ馬としてはアウスヴァールですが、前走逃げられずに1800mの出走制限に該当する4.8秒離されて負けているため、今回逃げるかどうかは微妙です。しかし、逃げた方が持ち味を生かせることや、他に早そうな馬がいないため、逃げると考えた方が良さそうです。

他にテンが速そうなのは、アルナシーム、ヴェローチェエラ、キミノナハマリア、ボーンディスウェイくらいです。中でも先行して結果が出ているのはボーンディスウェイくらいで、末脚が自慢のヴェローチェエラは抑えて競馬をするでしょうし、アルナシーム、キミノナハマリアも逃げたいとは考えないでしょう。そういう意味でも今回はアウスヴァールが楽に逃げる可能性が高そうです。２番手にはボーンディスウェイがつけて、３番手集団にはアルナシーム、キミノナハマリアを中心に、いい枠順を引いた馬、もしくは騎手の乗り替わりで新味が出るような馬、たとえばサンストックトンやディマイザキッドが先行するかもしれませんが、もともと初速の速い馬ではないため、序盤のペースはスローで流れるとみています。

スタートしてから２コーナーまで下りのコースのため、ペースを落としたい逃げ・先行馬に対して、後方馬は少しでもペースを上げたいため、馬群は団子状態で進む、つまり後方の馬は終始ストレスを抱えながら進むと予想しています。そんな中、さらに小回りの2～３コーナーも遅いペースで回されると、後方馬はよりストレスがかかる状態になると考えています。

函館2000mは、向こう正面から3～4コーナーの中間まで上り坂が続きます。通常であれば、上り坂が終わる3～4コーナーの中間地点から仕掛けるのが定石です。スタミナに不安のある馬では上り坂からの早仕掛けには耐えられないため、そこまでは我慢する展開になるのが一般的です。しかし今回は、ストレスの溜まったスタミナ型の後方馬が、例外的に早めに動くと予想しています。

基本的には先行したアウスヴァール、アルナシーム、キミノナハマリア、ボーンディスウェイ、または乗り替わりやコース替わりで新味を出した先行馬が展開有利な状況の中、早めにまくるスタミナのある馬、たとえばヴェローチェエラ、ハヤテノフクノスケ、マコトヴェリーキーがどこまで迫れるかというレースになると予想しています。

想定される勝ち時計は1分59秒台。先行馬でも上がり35秒台後半、差し・追い込み馬にはそれよりも0.5秒以上速い35秒台の脚が求められると見ています。

注目馬の分析

自信度：💪💪

※上位5頭の注目馬が1～3着になる自信度です。最大💪💪💪💪💪です。自信の無いときは💪はありません。

voxねこ夫婦(夫)

2025年6月26日　追記

最終追い切りを見ました。函館での調教は過去との比較が難しいため評価が難しいところですが、今回は「長距離輸送で調子を落としていないか」という点に注目しました。良いと感じたのはトップナイフです。昨年の函館記念と比べても、気持ちよさそうに走っているのが印象的でした。当然、今回は輸送による疲労もなく、膝蓋骨（しつがいこつ：馬の後ろ足の胴体に近い部分にあり、関節を包むお皿のような骨）の手術後2戦目で状態の上積みも期待できます。大外枠でない限り、上位5頭の注目馬のどれかと入れ替える予定です。

★★★★☆：ヴェローチェエラ

長くいい脚が使えて毎回しっかりと伸びを見せる馬です。特に、今回のメンバー構成であれば、ある程度の位置取りで競馬ができそうな点は大きな魅力です。稍重で行われた前走の6着を除けば、全レースで掲示板を確保しており、安定感も十分です。また、重賞を3戦して【3・4・5着】という結果を残しており、今回のメンバーの中では実績上位です。函館は初めてになりますが、同じ洋芝の札幌で勝ち星があることから、洋芝適性については大きな不安はないでしょう。一方で、鞍上が佐々木騎手のテン乗りであること、2000m戦は新馬戦以来となることが懸念材料として挙げられます。ただ、札幌での実績や持ち味の末脚を考えると、大きく割り引く必要はなさそうです。実績、実力共に上位のため、嵌まれば一発があってもおかしくない馬です。

★★★☆☆：グランディア

どのレースでも位置取りが悪いながらも、確実に末脚を使って差してくるタイプの馬です。今回のメンバーを見る限り、初速の速い馬があまりいないため、内枠を引けば、この馬でもある程度のポジションを取れる可能性も出て、展開が向きやすくなるでしょう。昨年のこのレースでは2着に好走しており、今年も同じ三浦皇成騎手とのコンビで臨みます。父ハービンジャー×母父サンデーサイレンスという配合は、洋芝適性の高さを感じさせる血統構成ですし、実際に函館2000mでは1戦して2着とコース実績もあります。2000m戦はこれまで10回走って、すべて6着以内。1着馬との最大着差も最大で0.6秒（4着）と大きく負けておらず、安定感は抜群です。ただし、古馬になってからの重賞では【6・2・7着】と一歩届かない結果が続いており、やや詰めの甘さも残ります。それでも、内枠を引いて前が詰まる等の不利が無ければ上位争いが可能とみています。

★★★☆☆：キミノナハマリア

先行力があり、今回のメンバー構成であれば楽に先行できそうな1頭です。函館2000mは先行馬に有利なコースです。1800mですが、その函館1800mで2戦2勝と抜群の相性を見せています。ただし、そのときは、稍重・重という馬場状態でした。2000m戦の成績は【1・3・1・4】とまずまずですが、唯一の勝利時も重馬場でのもので、道悪はうまいと考えられます。ただし、今回は良馬場での開催が濃厚なため、同じパフォーマンスが出せるかどうかがポイントになりそうです。父ハービンジャー×母父ビクトワールピサは、いずれも函館で産駒実績のある血統で、洋芝適性にも信頼がおけます。夏場に強い牝馬であることも特筆すべき点です。7～9月の成績は【1・3・4・1・3着】と安定しており、今回の時期に合わせて調子を上げてくる可能性は高いです。懸念点としては、8回の重賞挑戦すべてが牝馬限定戦であり、かつ、最高着順が紫苑Sの4着という点。また、昨年11月以降の着順は【11・7・10・11着】と良くないですが、いずれも重賞で、しかもGⅠ以外では最大でも0.7秒差と、着順ほど負けてはいません。今回は牡馬が相手にはありますが、夏場の調子の良さと函館巧者として、巻き返しがあっても不思議ではありません。

★★★★☆：ボーンディスウェイ

先行力があり、かつ末脚も使えるバランスの良い馬です。今回の函館2000mは先行有利な傾向があり、無理なく好位につけられる本馬にとって有利な流れになりそうです。2000mの持ち時計1:57.4（東京、良馬場、34.7秒）というタイムは、このメンバーに入れば十分上位の水準です。良馬場の2000mでは【3-2-2-4】と安定しており、信頼を置ける成績です。懸念点としては、函館競馬場が初めてなことです。洋芝への対応も今回が初めてとなるため、適性面に未知数がありますが、父ハーツクライのため、血統的に適正はありそうです。また、瞬発力勝負にはやや分が悪く、展開や枠順によっては押し切れないケースも考えられます。できれば内枠での先行が理想です。

★★★★☆：マコトヴェリーキー

先行して押し切る競馬も、中団からのまくりもできる柔軟性の高いのが持ち味です。阪神芝2000mで1:58.7（34.7秒）という持ち時計を持ち、今回の函館記念の想定タイム1:59秒台を考えると、十分対応可能なレベルにあります。2000m戦は【2-0-0-2】と極端ではありますが2回勝っている実績もあり、直近の重賞3戦でも11着→3着→2着と着順を上げてきており、近走の調子の良さも感じられます。5歳牡馬で本格化してきた今、重賞初制覇が視野に入れていると考えられます。懸念点は、函館競馬場が初めてであること、そして洋芝も初経験ということです。ただし、父オルフェーヴルは凱旋門賞で2年連続2着と洋芝適性が高そうです。血統的にはむしろ合っていると考えています。また、今回は約3ヶ月の休養明けになりますが、過去の実績から鉄砲駆けも利くタイプと見られ、致命的な不安ではなさそうです。

その他では、★★☆☆☆：アウスヴァール、★★☆☆☆：サンストックトン、★★★☆☆：ディマイザキッド、★★★☆☆：ハヤテノフクノスケにも注目しています。枠順、調教内容、馬体重、馬場状態、除外馬の状況次第では、注目上位５頭への入れ替えも検討します。

共通のレース展開プロファイル

コース特性函館2000m

4コーナー奥のポケット、坂の頂上からスタートするコースです。最初のコーナーまで約476mと距離があり、さらにスタート直後から2コーナーにかけては緩やかな下り坂が続くため、スピードが出やすいのが特徴です。ただし、距離が2000mあることから、騎手としてはできるだけペースを抑えて進めたいと考えるはずです。

そのため、序盤の先行争いはそれほど激しくなりません。2コーナーを過ぎてから3〜4コーナーの中間地点までは、緩やかな上り坂が続きます。ここではペースが上がりにくく、全体的にゆったりとした流れになることが多く見られます。

3〜4コーナーはスパイラルカーブになっており、途中からは下り坂。さらに、最後の直線は全国10場の中で最も短い約262mのため、差し馬は3〜4コーナーから早めに動くのが一般的です。

緩やかな坂ではありますが、高低差は最大で約3.5mと、意外にあります。アップダウンの起伏が激しいコースではありませんが、この高低差と洋芝の影響もあり、瞬発力やスピードよりも、スタミナやタフさが求められるコースとなっています。

函館競馬場芝2000mの特徴と攻略情報まとめ｜初心者向けにわかりやすく解説！ | うましる

函館競馬場芝2000mのコースの特徴を競馬初心者向けに独自に解説しています。「これから競馬を始める！」「競馬場について知識がほとんどない……」という方に少しでもお役に立てれば嬉しいです。ぜひ予想の参考にしてみてくださいね。

過去１０年の傾向

過去10年の内、6回が良馬場、2回が稍重、2回が重馬場で開催されました。2025年6月23日（月）時点の函館競馬場の天気予報によれば、開催当日まで雨予報はありません。良馬場で開催される確率が高いため、以下では、良馬場6回のデータを元にしたデータ分析を行います。

出走馬95頭（1レース平均約16頭）のうち、馬券圏内に入ったのは18頭でした。逃げ馬の成績は（1-0-1-4）（約33％／6頭）と、まずまずです。一方、4コーナーを3番手以内で通過した先行馬（まくり含む）は12頭（67％／18頭）と抜群の確率です。5番手以内に広げると15頭（43％／35頭）と少し落ちますが、好確率です。それ以外の馬は3頭（約6％／25頭）と、ほとんど絡んでいません。従って、4コーナー3番手以内に付けられる馬を中心に、少なくとも5番手以内には付けられそうな馬から選ぶと良いでしょう。

勝ち馬の走破時計は1分58秒7～1分59秒8と0.9秒以内で収まっています。今年も1分59秒前後の決着になりそうです。上がり3ハロンのタイムは34秒6～36秒9と、こちらは少し幅があります。この差は脚質の違いというより、展開、もしくは出走してくる馬の能力の違いによるもののようです。スタミナが必要とされるコースのため、速い上がりは削がれる傾向があり、だいたい35秒前後の脚を求められるようです。

※この情報は、以下の競馬関連サイト等のデータをもとに考察しています。詳しくは各サイトにてご確認ください。

農林水産省賞典函館記念の過去10年データ、好走馬一覧（2025年6月29日函館11R） | 競馬ラボ

農林水産省賞典函館記念過去10年データです。

個別のレース展開プロファイル

開催3週目

先週は、土曜日・日曜日ともに良馬場での開催となりました。特に土曜日は、芝7レース中4レースで逃げ馬が馬券に絡む活躍を見せるなど、開幕2週目の馬場状態が良好で、先行馬に有利な傾向が見られました。

ところが翌日の日曜日は雨の影響で重馬場に変わり、逃げ馬が馬券に絡んだのは芝7レース中、未勝利戦の1番人気による1レースのみ。ほとんどのレースで差し・追い込み馬が上位に入りました。

今週は開催当日まで雨の予報が出ていないため、馬場は回復してくると見られますが、函館競馬場は暗渠排水設備が整っていないため、本日（2025年6月23日）に発生した台風2号の進路次第では、馬場の回復が遅れ、稍重程度の荒れた馬場での競馬になる可能性もあります。その場合、やはり外差しが決まりやすい傾向が出るかもしれません。

詳しくは、以下のサイトなどもご参照ください。